マンホールトイレ設置 防災用井戸の活用も

和歌山市の紀の川に架かる水管橋が3日に崩落し、市北部地域で大規模な断水が発生していることに関して、災害時に水道が機能しなくなった場合に生活用水(飲用は除く)を無償提供する「災害時協力井戸」のうち、断水エリアの23カ所も利用できるようにしている。また、下水道のマンホールの上に便器を設置し、テントで覆った「マンホールトイレ」も7カ所、80基が利用できる。

和歌山市木ノ本の木本公園では、災害用仮設トイレとしてマンホールトイレ計10基(一般用8基、車椅子対応型トイレ2基)を整備。同トイレは、下水道管路のマンホールの上に簡易なトイレを設置し使用するもので、周りから見えないようにテントで覆われている。

また同公園には防災用井戸もあり、近くに住む古川季子さん(69)は「きょうだけですでに3回来ている。飲料としては使えませんが、トイレと手洗いなどに使え助かります」と話していた。

いずれも市ホームページに詳しい場所や利用時間の情報が掲載されている。

市は5日までに、断水となっている紀の川北部の支所・連絡所11カ所と公園15カ所に簡易トイレを設置した。

また、給水所の開設2日目となった5日、断水地域の給水所には、早朝から住民が長い列を作った。

 

和歌山市木ノ本の市立木本小学校では、近隣の大阪府池田市と奈良市、信太山駐屯地から出動した自衛隊の給水車計5台が稼働。日差しが照りつける中、同校が用意したテントの下にはポリタンクなどを手に大勢が並んだ。

利用者によると、開設初日となった4日は最大2時間ほどの待ち時間があったが、この日は長くても30分ほどで給水ができているという。

和歌山市の担当者は「午前10時ごろには待ち時間なくスムーズに給水できた時もあったが、給水車のタイミングで空いている時間は読めない」と話していた。給水を利用した同地区の北島美千代さんは「昨日はすごい行列だと聞いて利用しなかった。校庭の中まで車が入れるから、運びやすい」と話していた。

木本公園に設置されたマンホールトイレ

木本公園に設置されたマンホールトイレ

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