ワーケーションを推進 県と富士通が協定

固定的な場所や時間にとらわれない新しい働き方の推進を通して、地域課題の解決や地域の産業活性化につなげようと、和歌山県とITサービスなど大手の富士通㈱は15日、ワーケーション・移住に関する連携協定を締結した。

ワーケーションは、観光地やリゾート地などでオンラインを活用し、働きながら休暇をとる過ごし方のことで、県は白浜町などで全国に先駆けて推進してきた。

富士通は、オンラインワークの推進によりグループで約4000人いた単身赴任者のうち約1300人の解消を実現するなど、オフィスに行かなくても業務の生産性を高め、従業員の生活も充実させる取り組みに力を入れている。

今回の協定は、連携・協力の対象分野として①ワーケーション推進による関係人口の創出②多様な知見・スキルを活用した地域課題の解決③遠隔勤務を活用した転職なき移住による地方創生――を掲げている。

①では、県が持つノウハウを生かし、富士通グループの従業員がニーズに合わせてワーケーションのスタイルを選べるよう連携する他、環境保護と持続可能性を追求する観光「サスティナブルエコツーリズム」をテーマにしたワーケーションプログラムを試験的に行い、共同で効果の測定やプログラムの改善を進める。

②では、従業員に県内の副業を公開し、従業員が知識や経験を生かした副業によって課題を抱える県内企業の支援を行い、地域産業の活性化に貢献する。

③では、従業員が地方活性化に資する活動を目的に県への移住を希望し、所属長が認めた場合に、県での遠隔勤務を可能とする。

協定の調印式は県庁知事室で行われ、富士通の執行役員専務の髙橋泰三氏、執行役員常務の平松浩樹氏、富士通Japan㈱関西・中四国エリア本部長の舛田元彦氏らが出席。仁坂吉伸知事と平松常務が協定書に署名した。

平松常務は、和歌山はワーケーションのノウハウや優れた地域資源を持ち、「可能性を秘めた地域と認識している」と期待。オンラインワークにより生活の充実への意識が高まり、業務に支障なく実施できることを実証したいとし、県との連携を通じてデータやノウハウの蓄積を進め、「社内だけでなく社会に向けて発信したい」と話した。

協定書を手に(左から)髙橋専務、平松常務、仁坂知事、舛田本部長

協定書を手に(左から)髙橋専務、平松常務、仁坂知事、舛田本部長

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