官民一体で連携強化 北署が災害警備訓練

「津波防災の日・世界津波の日」の5日、南海トラフ巨大地震などの大規模災害に備え、和歌山北署は県警察学校(和歌山市木ノ本)のグラウンドで、災害警備訓練を実施。災害対処能力の向上や関係団体との連携強化を図った。

訓練は、午前8時に南海トラフ沖を震源地とするマグニチュード9・0の地震が発生し、県内全域に大津波警報が発令され、約40分後に同市周辺に約8㍍の津波が押し寄せるとの想定で行われた。大規模災害により、同署が警察機能を維持できなくなった場合を想定し、高台にある同校に拠点を移す「代替指揮所」設置運営訓練からスタート。

訓練には、同署とボランティアで提携している日本アマチュア無線連盟県支部の5人を含め、約45人が参加した。無線通信訓練では、同支部のメンバーから「車両や倒壊家屋に人が取り残されているかもしれない」などと通報を受けた県警の第二機動隊や、直轄警察犬のシェパード・ヨハン号らが被災者を捜索。

車内に取り残された被災者を発見した隊員らは、窓ガラスを割って開錠した後、救助した。ヨハン号による捜索活動で倒壊家屋内にも被災者がいることが分かり、チェーンソーなどを使って家屋の下からけが人を救出する訓練を行った。

同署の湊隆弘署長は、「官民一体となった訓練の実施は大きな財産となった」と講評し、「いつ起こるか分からない災害に備えて、各機関が役割を果たせるよう、継続して訓練を実施し、連携を強化していきたい」と述べた。

2012年12月から同署と提携している、JARL和歌山北部防災ボランティア無線チームの浅井俊直代表は、「ほぼ毎年している訓練の成果でスムーズにできた」と振り返り、「アマチュア無線で直接北署と話せるのは、円滑な連携につながっている」と手応えを語った。

倒壊家屋に取り残された被災者の救出訓練をする機動隊員ら

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