古代の女王伝説「名草姫」 劇団ZERO公演

和歌山市を拠点に活動する劇団ZEROの代表作の一つで、名草地方(現・同市と海南市)に伝わる古代の女王伝説をテーマにした舞台「名草姫―二千年の月夜を超えて―」が20日午後5時から、同市七番丁の和歌山城ホールで上演される。

名草姫は、『日本書紀』や地元の伝承に登場する神武東征と戦った名草の統治者「名草戸畔(とべ)」を描いた物語。同劇団では、この伝承を基に脚本を創作。2015年10月に初演した。4度目の上演となる今回は、18歳から65歳のキャスト23人を含む総勢約45人が初の和歌山城ホールでの舞台を作り上げる。

このほど上演に向けた稽古が、同市小松原通の県民文化会館で行われ、衣装に身を包んだ劇団員らが動きの確認をした。

脚本・演出を手掛けた同劇団の島田忠代表は「上演するたびに作品が育ってくる」と感慨深げ。

好評を博した初演や名草姫ゆかりの和歌山市吉原の中言神社奉納舞台公演などを経て、2019年以降は神楽の要素も加わった。今回は衣装をよりカラフルにし、色彩豊かに観客を古代名草の世界へ導く。

島田代表は「テーマは平和。名草のため身をささげた名草姫とわれわれの祖先である人々が精いっぱい生きた証しを伝えたい」と話し、「来て良かったと思ってもらえる舞台になるよう、全力投球で魂の演技ができれば」と強い気持ちで本番に挑む。

名草姫を演じる藤本理恵さんは「何度も上演できるのは本当にうれしいし、こんな機会はなかなかない。戸畔にしっかりと世に出してくれと言われているよう」と笑顔で話していた。

入場料は2000円(当日は500円アップ)。和歌山城ホールや県民文化会館、海南市物産観光センターなどで取り扱っている。

申し込みなどは同劇団(℡090・1481・0941、090・4763・4709)。

 

稽古にも熱が入る劇団員たち

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