シカゴテラス誕生 旧保育所が住民交流施設に

和歌山市加納の旧市立四箇郷保育所が住民交流施設「シカゴテラス」に生まれ変わった。四箇郷地区連合自治会(松尾泰行会長)が住民主体の活用を市に要望し、公共施設跡地の新たな利用法として実現したもの。パン工房や青果店などのテナントも入り、地域活性化の新たな拠点として期待されている。14日にオープニングセレモニーが行われ、お披露目は多くの地区住民らでにぎわった。

四箇郷地区は1万7000人以上が暮らす市内でも人口の多い地区だが、公共のコミュニティースペースが四箇郷連絡所の2階部分などしかなかったため、連合自治会は、昨年3月末で閉所した同保育所を住民主体で運営することを市に要望。同年4月に市と基本協定を締結していた。

同保育所は1983年建築の鉄筋コンクリート造り2階建て、敷地面積1323平方㍍、延べ床面積600平方㍍の施設。連合自治会は、5室のうち最も広い2階の部屋をコミュニティースペースとして残し、その他の部屋を店舗などに貸し出すことを決め、昨年5月にテナント公募説明会を開催。教育や福祉事業を展開する㈱KEGキャリア・アカデミー(同市友田町、角野寛典代表取締役)が施設全体の管理責任者に決まり、他のテナントの誘致、調整などに当たった。

ことし2月から改装工事を行い、外観は、白い塗装と木材をふんだんに使った外壁により、明るく温かな雰囲気となっている。内装も元の部屋の配置を生かしつつ、美しく整備され、多目的トイレも備えている。

1階の入り口近くには、テークアウト専門の焙煎コーヒー店「SHIKAGO COFFEE ROASTERY」とパン工房「AKARIベーカリー」が並び、ひきたてのコーヒー、焼きたてのパンの香りが広がる。

奥へ進むと、「KEGカルチャー教室」、地元アーティストが作品を制作、展示、販売する「一坪アトリエ」、昔懐かしい駄菓子店と青果店が並ぶ「シカゴマーケット」がある。

2階は、KEGが運営する児童発達支援、放課後等デイサービスの「すぷらうとシカゴテラス」と、住民が多様な活動に使用できる「四箇郷交流センター」。交流センターの床板は保育所時代のまま残し、卒園生らの思い出の場所であり続けられるよう配慮している。

14日のオープニングセレモニーでは、尾花正啓市長、松尾会長、角野代表取締役、地元の戸田正人市議らがテープカットを行い、訪れた住民らは早速、新施設を見学し、買い物などを楽しんだ。

尾花市長は「市内でも先駆的な取り組みとなり、四箇郷のまちづくりの力を感じている。シカゴテラスが地域と共に発展する施設となるよう願っている」、松尾会長は「四箇郷地区の一大事業が完成し、喜んでいる。住民がいろいろなことに使用し、盛り上げていってもらいたい」と期待している。

テープカットを行う松尾会長(中央)、尾花市長(左隣)ら

テープカットを行う松尾会長(中央)、尾花市長(左隣)ら

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