思いやりの花満開に ゆっこりん一座が初演劇

昨年度の和歌山市文化奨励賞に選ばれた児童文学作家、たかだゆき子さん率いる「ゆっこりん一座」と劇団ZEROによる演劇が17日、同市の和歌山城ホールで開かれた。

「紀の国わかやま文化祭」事業の一環で、さまざまな出演者による五つの物語で構成する「愛と奇跡の舞台」のトリを飾った。「思いやりの花を咲かせよう」をテーマに、たかださんが台本を担当。絵本から飛び出した動物たちが、互いを尊重し合い優しい心を持つことの大切さを伝えた。

たかださん演じる「うさぎちゃん」、たかださんの双子の兄・英樹さん演じる「パンダさん」の他、クマやキツネ、リスら森の仲間たちと、悪だくみをする3匹の「おさるさん」との物語。

あらすじは、お菓子を独占するなど、いじわるなサルたちにも常に優しさを持って接するうさぎちゃん。森の中で悪天候に見舞われたサルたちに対しても、願いをかなえてくれるという木のもとで、「願い事は一つだけ」にもかかわらず、3匹が無事に助かるよう祈る。森じゅうのみんなの幸せを願うその優しさにふれ、サルたちの心にも思いやりの花が芽吹いていく――というもの。

楽しい歌やダンスを交えた愛と感動の舞台を届け、観賞した同市の男性(57)は「自然と笑顔になるような、心が温かくなる舞台でした」と話していた。

その他、舞台では、知的障害がある和歌山市の中西健志さんが英語でスピーチを披露。茶道から学んだことや、ボランティアガイドとして日本のもてなしの心を伝えていきたいという夢を力強く語り、会場から温かい拍手が送られた。

 

思いやりの心の大切さを伝えるたかださん(右から2人目)

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