御坊市で震度5弱 庁舎の窓ガラス26枚破損

3日午前9時28分ごろ紀伊水道を震源とする地震があり、和歌山県御坊市で最大震度5弱を観測した他、和歌山市や海南市、紀の川市、岩出市、紀美野で震度3を観測。御坊市役所では窓ガラスが割れるなどの被害が出た。同日正午現在、けが人の情報は入っていない。気象庁は今後1週間程度は同じような揺れを伴う地震に注意するよう呼び掛けている。

気象庁によると震源の深さは18㌔、マグニチュード5・4。

最大震度5弱を観測した御坊市では、市役所の職員が庁舎外へ避難。安全点検のために一時閉鎖した。

市職員によると、地震発生時、1階市民課の窓口に来訪者が1人おり、避難を誘導。福祉センターで災害対策本部会議を開くとともに、担当職員が庁舎内を点検し、午前10時現在で地下1階から5階まで合わせて26枚のガラスにひびが見つかった。

安全性に懸念があるため、ほとんどの職員を退避させたまま、市民らの入庁を制限。不安そうな表情で庁舎を見つめる中、午前11時20分に通常の業務に戻した。

三浦源吾市長は職員に「余震かもしれないし、また(大きな揺れが)あると思って気を付けるように」と強く指示。この日の午前中に開会予定だった議会定例会は議運で午後以降の開会が決まった。

また、同市野口の道路沿いに設置されている安珍・清姫の石像は、2体のうち高さ約2㍍の1体が倒壊。両方の足首のあたりから折れ、前(道路側)に倒れていた。

この他、御坊市の日高振興局と日高川町のかわべテニス公園でそれぞれガラス1枚が割れ、御坊市のオークワロマンシティ御坊店は店内の水漏れで午前中臨時休業となった。同社広報担当者によると、水漏れは3階の水道管の破損が原因とみられ、3階のボウリング場以外は全館、午後にも通常通りの営業を再開できそうだという。日高町志賀地内では道路脇の石垣の一部が崩落。印南町内では民家の屋根瓦1枚が落ちた。

御坊署では揺れが収まって間もなく、署員がパトカーで管内を巡回。午前11時現在、被害は確認されておらず、御坊市、日高広域の両消防にも地震に伴う通報は入っていない。

この地震による停電はなく、道路は渋滞や混乱はなかったが、鉄道はJRきのくに線が地震発生後、印南―湯浅駅間で一時運転見合わせ。午前10時10分に速度を落として運転を再開した。この影響で上下線とも和歌山―串本駅間で最大60分以上の遅れが発生。特急列車2本が運休した。

県内での震度5弱の地震はことし3月15日に湯浅町で観測されて以来。

地震で倒れた安珍清姫像(御坊市野口)

地震で倒れた安珍清姫像(御坊市野口)

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