景況4期ぶり「上昇」超に 財務事務所10~12月

近畿財務局和歌山財務事務所の景気予測調査(11月15日時点)で、県内企業の10~12月期の景況判断BSI(前期比「上昇」から「下降」を引いた指数)は、4期ぶりに「上昇」超に転じ、7・8となった。先行きは、製造業で「上昇」が増える一方、非製造業では新型コロナウイルス感染再拡大の懸念などから、「下降」の回答が多くなっている。

産業別のBSIは、製造業が7・9(前期マイナス10・8)、非製造業が7・8(同0・0)にいずれも上昇した。

先行き見通しは、来年1~3月期で製造業が13・2に上昇する一方、非製造業がマイナス9・4に大きく下降し、全産業でマイナス1・0。4~6月期は非製造業も上昇に転じ、全産業で7・8となっている。

規模別のBSIは、大企業(資本金10億円以上)がマイナス25・0(前期8・3)と大きく落ち込み、中堅企業(1億円以上10億円未満)は27・8(前期マイナス2・8)、中小企業(1000万円以上1億円未満)は1・9(前期マイナス7・8)に上昇した。

規模別の先行き見通しは、来年1~3月期で大企業が8・3に上昇するが、中堅企業は2・8、中小企業はマイナス5・6に落ち込んでいる。4~6月期は、大企業が0・0に再び下降し、中堅企業は19・4、中小企業は1・9に上昇する見込みとなっている。

企業からは、「半導体関連製品の需要は引き続き好調。原材料価格は上昇しているものの、販売価格への転嫁が進んでいることから、売上は増加している」(化学)など好調の声がある一方、「GoToトラベルキャンペーンの再開を待っているのか、年始以降の予約率が低調」(宿泊)、「感染症の動向により見通せないことから、先行きは不明」(小売、不動産)など苦境、不安もうかがえる。

雇用情勢は、12月末時点の従業員数判断BSI(「不足気味」から「過剰気味」を引いた指数)が全産業で24・8(9月末時点17・3)で、「不足気味」超が拡大。今後の見通しは、来年3月末が23・8、6月末が16・8で、下降している。

全産業でみると、2021年度の売上高は2・6%の増収、経常利益は8・7%の減益、設備投資は4・2%減を見込んでいる。

調査は県内に本店がある資本金1000万円以上の法人(電気・ガス・水道、金融・保険業は1億円以上)を対象に実施し、102社(回収率91・1%)から回答を得た。

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