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和歌山さんぽみちプロジェクト

県内での生産が盛んに「柚子」

前号では、上田市の菓子店、飯島商店が販売する、三宝柑を丸ごと使った冬限定の高級ゼリー「三宝柑福居袋」を取り上げた。ことしも残すところわずかとなり、22日には冬至を迎えた。無病息災を願い、冬至に柚子風呂を楽しんだ方もおられるだろう。今週は「柚子」を紹介したい。
柚子はミカン属の常緑小高木で柑橘(かんきつ)の一種。世界で日本が最も消費量・生産量が多い国となっている。原産地は中国で、平安時代初期には日本に伝わったとされ、全国各地で栽培が盛んに行われている。木の高さは4㍍ほどと大きく初夏の頃に花を咲かせ、秋には果実ができる。
香りが非常に良く、果皮の表面が凸凹しているのが特徴。酸味が強く、種が多い。ミカン属の中で最も耐寒性が強いとされ、年間の平均気温が12度から15度の気候を適地とし、かいよう病などへの耐性が強いため、無農薬栽培が容易にできる。一般的な柑橘類と比べ手が掛からないが、種子から育てると実を結ぶまで十数年かかるとされ、収穫可能な木にするまでは時間を要するという。
2017年の農水省統計によると収穫量第1位は高知県(1万60㌧)、第2位は徳島県(2300㌧)、第3位は愛媛県(2200㌧)で、和歌山県は第7位の約400㌧となっている。
県内の主な産地は、紀美野町、有田川町、田辺市、古座川町。古座川町では街おこしの一環として柚子の栽培に力を入れるなど、県内でも栽培が盛んな柑橘となっている。
(次田尚弘/和歌山市)