保健所の人員2倍に 和歌山市コロナ対応

新型コロナウイルス第6波について和歌山市の尾花正啓市長は28日、「まだまだ感染が拡大していく可能性が非常に高い」との認識を示し、保健所の業務にコロナ禍前の約2倍の人員を投入してもなお、濃厚接触者の把握が遅れるなど厳しい状況にあることを明らかにした。3回目のワクチン接種を推進するため、2月下旬から3月にかけて市主催の集団接種の実施も決めた。

市内の感染者は1月6~27日の累計で2308人。連日の感染者は前週の同じ曜日を上回る状況が続き、感染が減少に転じる兆しはまだ見えない。

保健所業務に携わる人員は、コロナ禍前は131人だったのが、現在は保健所内の職員が194人、応援職員が一日当たり38人、保健所外のサポートチーム31人の計263人の体制となっている。

感染者の急増により、21日ごろまでは陽性判明者への調査などの最初の接触が遅れがちな状況が続いていたが、22日以降は人員を追加して改善。それでも濃厚接触者の迅速な把握などの業務について、尾花市長は「厳しい状況が続いている」と述べた。

市内の第6波の特徴として、9~15日と16~22日の感染者の比較で、60代以上の割合が2・6倍、10歳未満は2・5倍に増加している。

クラスターの状況は、第5波では企業の職場内感染が42%を占めたのに対し、1月以降の19件の内訳は、高齢者施設関係が31%、学校関係が20%、医療機関が19%などとなっている。

市内の3回目のワクチン接種率は23日時点で3・2%で、国の2・1%、県の2・6%を上回っている。高齢者施設関係は、2月までに入所者94・6%、従事者の85%が接種を完了する予定。

ワクチンの供給はモデルナ社製の割合がファイザー社製を大きく上回るため、尾花市長は「モデルナの接種を推奨したい」と述べた。

集団接種はモデルナ社製で行い、2月19日午前9時から予約を受け付ける。

感染が急拡大している和歌山市の現状を話す尾花市長

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