県内初「BA・2」疑い 感染力強く注意を

和歌山県は11日、新型コロナウイルスのオミクロン株の派生種「BA・2」に感染した疑いがある2件の事例が県内で初めて確認されたと発表した。新規感染者は199人で、前週の同じ金曜より33人減少。4日続けて死者はなかったが、学校など新たなクラスター(感染者集団)4件を認定した。

BA・2は従来のオミクロン株(BA・1)より感染力が強いとされ、一部の検査では検出されないことから「ステルスオミクロン」とも呼ばれる。

県内で初めて確認された疑い例は、2月以降の感染者の一部(100人超)に対して行ったスクリーニング検査で判明した20代男性と40代男性の2人。まだ検査数が少なく、県内でBA・2への置き換わりが進んでいるかどうかは不明だが、BA・2が広がれば、感染状況が再び拡大に転じる恐れもある。

県福祉保健部の野㞍孝子技監は「感染者が増えるほど、重症化する人も増えてしまう」と述べ、人の移動が多い年度替わりの時期であることから、一人ひとりの感染予防対策の徹底、集団での飲食などリスクの高い行動を控えること、ワクチンの3回目接種をすることなどを県民に呼び掛けた。

新規感染者199人の保健所管内別内訳は、和歌山市97人、海南8人、岩出25人、橋本39人、湯浅5人、御坊7人、田辺6人、新宮12人。

新たなクラスターは、246例目が橋本管内の高校で生徒11人と職員4人が感染。247例目は橋本管内の中学校で、生徒17人の陽性が確認された。248例目は和歌山市の保育所で、陽性者は園児7人と職員6人。249例目は御坊管内の介護老人保健施設で、入所者5人が感染した。

直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体が161・6人で、前日より3・6人減少した。

県内の感染者は累計2万5055人。入院者数は170人、重症者は県基準で23人、国基準で4人、肺炎患者は47人、病床使用率は26・9%。ホテル療養を含む待機者は861人。

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