WAKAYAMA NEWS HARBOR
和歌山さんぽみちプロジェクト

国内産「ネーブルオレンジ」

前号では、すだちに似ているも歴史が古く、用途も異なる「かぼす」を取り上げた。今週は2月から4月が旬である、国産の「ネーブルオレンジ」を紹介したい。
ネーブルオレンジは、種が少なく香りが良く、果汁が多いことで知られる柑橘(かんきつ)。直径は約8㌢、重さは200㌘と、温州みかんの倍程度の重さがある。
似た品種としてバレンシアオレンジがあるが、それと比べて甘味・酸味ともに濃いのが特長。しかし、果汁が劣化しやすく日持ちがしないという欠点がある。保存するときは新聞紙に包むなどして乾燥を避けるのが望ましい。
食し方としては、果実を搾ってオレンジジュースとしての楽しみ方もあれば、スマイルカットと呼ばれる切り方で生食するのも良し。マーマレードやピールも人気。
果実のお尻の部分(果頂部)にある、おへそのようなくぼみ。へそを英語で「Navel(ネーブル)」といい、それが名前の由来となっている。
ネーブルオレンジは輸入品が多いイメージがあるが、国内で積極的に栽培されている。輸入品はワシントンネーブルと呼ばれる品種が多いが、国内産では枝替わりの品種で、大三島ネーブル、白柳ネーブルなどがあり、輸入品とは少し異なる味わいを楽しむことができる。ビタミンCに加え、糖質の代謝に欠かせないとされる栄養素であるビタミンB1が豊富に含まれるなど、健康志向の方にもおすすめ。
2018年の農水省統計によると、生産量1位が静岡県(34%)、2位が広島県(27%)、3位が和歌山県(19・4%)で、県内での主な生産地はかつらぎ町、紀の川市、和歌山市と紀北地方が主となっている。
今の時期、果物店や産直市場で手にすることができる国産ネーブル。お好みの食べ方で楽しんでみては。(次田尚弘/和歌山市)