県産漆使った根来塗 松江さんが作品展

文化庁長官表彰を受けた根来塗師、池ノ上辰山さんの直弟子、松江那津子さんの展示会が6日、和歌山市友田町の近鉄百貨店和歌山店5階画廊で始まった。12日まで。

「中世の幻の漆器」と呼ばれる根来塗。当時の技法を復興した池ノ上さんに指導を受ける松江さんが県産の漆を使用して制作した約500点を並べている。

県産の漆は池ノ上さんと松江さんが14年前に岩出市の根来山げんきの森に植樹して育ててきた。昨年、初めて漆の樹液を採取し、昔ながらの方法で手黒目(てぐろめ)による精製を行い、今回、初めて椿椀や眉間寺三ツ椀、豆子(ずつ)盃の上塗りの朱に使用した。

中世の下地技法は非常に高度で難しく熟練の技術を要するが、県産漆で往時の技法と同じ強度のある丈夫な根来塗に仕上げた。

池ノ上さんは「県産漆は匂いが違う。長い道のりを経てできたので感無量です」、松江さんは「一意専心に作ったのでぜひご覧ください」と話している。

午前10時~午後6時半(最終日は3時)。詳細は同百貨店(℡073・433・1122)。

 

「ぜひご覧ください」と松江さん㊨と池ノ上さん

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