小曽根真さんに魅了 緑風舎リニューアル

和歌山市野崎の音楽ホール「緑風舎」がリニューアルし、新たな演奏会シリーズ「緑風舎交流サロン」が始まった。3日に開かれた第1弾には、日本を代表するジャズピアニストで、ジャンルを越えてクラシックの演奏も手掛ける小曽根真さんが登場。聴衆は〝世界のOZONE〟の県内初コンサートに聴き入った。

緑風舎は約80席の小規模ホール。2010年4月からスタインウェイ社のフルコンサートグランドピアノを導入し、地元を拠点とする音楽家から世界のトップ奏者まで、幅広いアーティストによるクラシック音楽を提供。演奏家の息吹を間近に感じられるサロンとして10年以上にわたり親しまれてきた。

これまで演奏家との交流などに使われてきたスペースを改装し、3月に常設のカフェがオープン。リニューアル後最初の本格的なコンサートの皮切りに、小曽根さんを迎えた。

この日のプログラムは、ガーシュイン「愛するポーギー」などのスタンダードな名曲、「ガッタ・ビー・ハッピー」「オベレク」など小曽根さんのオリジナル作品に加え、クラシックからもラヴェルのピアノ協奏曲第2楽章を独自のアレンジで演奏するなど、多彩な音楽世界を一夜で行き来するもの。

小曽根さんは、手拍子や床を打楽器のように足で打つなど、全身でリズムを刻みながら、その瞬間のインスピレーションで展開されるジャズならではの即興性あふれる演奏で、会場を魅了した。

聴衆との距離が近い緑風舎での演奏を終えた小曽根さんは「僕の息遣いや体から出ているエネルギーを全部感じていただける。その分、全部ばれてしまいますから、こういう空間で演奏するのは、楽しさと怖さが背中合わせです。僕は大好きですね」と笑顔で話していた。

 

緑風舎ホールのピアノと小曽根真さん

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