紀州徳川ゆかりの陶磁器 和歌山RC寄贈

和歌山市の和歌山ロータリークラブ(RC)は13日、紀州徳川家にゆかりのある陶磁器類7件12点を市に寄贈した。知念章雄会長らメンバーが市役所を訪れ、尾花正啓市長に目録を手渡した。

寄贈されたのは10代藩主治宝(はるとみ、1771~1853)と11代藩主斉順(なりゆき、1801~46)に関連した陶磁器類。

文化・芸術に秀でた治宝は別邸西浜御殿で「偕楽園焼」を、作陶が趣味だった斉順は和歌山城や湊御殿で「清寧軒焼」をそれぞれ始めた。また、治宝は殖産興業を目的に、高松に「南紀高松焼」と広川町に「南紀男山焼」を開窯。同時期には民間の瑞芝(ずいし)窯で藩主の贈答品用として優れた「瑞芝焼」も生産された。今回は清寧軒焼など陶器1件1点と、瑞芝焼の磁器6件11点が寄贈された。和歌山RCが、創立85周年記念事業として所有者から購入した。

寄贈品を受け取った尾花市長は「非常に貴重な品々で、文化行政にとってありがたいこと。多くの人に見てもらえるようにしたい」と感謝を述べた。知念会長は「紀州徳川家ゆかりの品が市民の宝になったことは喜ばしいこと」と話した。

寄贈品は、湊本町の市立博物館で、テーマごとに常設される他に、来年3~5月に開く「新収蔵品展」でも展示される予定。

寄贈品は次の通り。

偕楽園焼「雀香合」(すずめこうごう)▽偕楽園画製・南紀男山焼「盃」▽清寧軒焼「赤楽茶碗」▽養翠亭焼「染付六角火入(ひいれ)」▽南紀高松焼「染付水指(みずさし)」▽南紀高松焼「筒花生」▽瑞芝焼「青磁文房具」6点

 

尾花市長㊧に目録を手渡す知念会長

 

寄贈された紀州徳川家ゆかりの陶磁器類

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