文化財生かして 温山荘園でコスプレ撮影

和歌山県海南市船尾の琴ノ浦温山荘園(田中紀生園長)で5日、アニメなどの登場人物に仮装した人が集うイベント「和歌山コスプレ開放市」が開かれた。3年ぶりに制限のないゴールデンウィークとあって、それぞれ“推し”のアニメやゲームのキャラクターに扮(ふん)したコスプレーヤーたちが久しぶりの再会を喜び合い、大正期の雰囲気漂う園内で撮影を楽しんだ。

同イベントは和歌山市観光発信人でコスプレーヤーの山本太陽さん(33)が主宰するサブカルチャーイベント企画団体「マジックアワーカフェ」が企画。これまでも和歌山の魅力を発信しようと、史跡和歌山城や友ヶ島、千畳敷など県内の歴史的建造物や自然景観が楽しめる場所でのコスプレイベントを開いてきた。

この日は、人気漫画「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」、オンラインゲーム「刀剣乱舞」などの思い思いの衣装に身を包んだコスプレーヤー30人とカメラマンら計約50人が参加。

温山荘園は大正初期から昭和初期にかけて造園。国の名勝にも指定されている約1万4000坪ある庭園や重要文化財の茶室、浜座敷などがあり〝どこに立っても絵になる〟抜群のロケーションが魅力で、ウェディングフォトなどでも人気がある。公益財団法人琴ノ浦温山荘園が管理。

撮影の合間には、山本さんが参加者に建物で使われている大正ガラスは現在製造されていない大変貴重なものであることや、園の歴史などを解説していた。

漫画「暗殺教室」のキャラクターの衣装で参加した海南市の京紀姫(かなどめきひ)さん(16)は「久しぶりのイベント参加で、充実した一日だった。こんな素晴らしい場所があるのは地元の誇り」と笑顔。

主催者の山本さんは「和歌山の歴史・文化の魅力を若い世代に知ってもらうきっかけになればうれしい。ロケーションの宝庫である和歌山を全国にPRしていきたい」と話していた。

重要文化財の主屋でポージングする参加者

重要文化財の主屋でポージングする参加者

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