景況判断が大幅下降 社経研調査1~3月期

和歌山社会経済研究所の景気動向調査で、2022年1~3月期の県内企業の自社景況判断は、「良い」と答えた企業から「悪い」と答えた企業の割合を引いたBSI値はマイナス26・8(前期比15・9㌽下降)となった。01年以降で過去3番目に大きい下げ幅であり、新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大、仕入れ価格の急上昇が要因とみられる。4~6月期の見通しはマイナス21・7(同5・1㌽上昇)にやや改善している。

調査は県内企業2000社(建設業200、製造業400、商業600、サービス業800)にアンケートで実施し、847社から回答を得た(回答率42・4%)。

1~3月期の景況BSIを産業別にみると、建設業マイナス1・1(前期比24・7㌽下降)、製造業マイナス23・2(同9・7㌽下降)、商業マイナス36・6(同15・7㌽下降)、サービス業マイナス29・1(同15・5㌽下降)で、いずれも大幅に下降した。

4~6月期の見通しは、建設業がさらに悪化のマイナス6・5だが、製造業はマイナス19・8、商業はマイナス31・2、サービス業はマイナス19・8に改善を見込んでいる。

建設業は1年半ぶりにマイナスに転じた。オミクロン株の感染拡大に伴い、工事を先延ばしする動きや、従業員の感染、濃厚接触による工事の遅延などが生じ、業況の悪化につながった。原油や鋼材、木材などの価格高騰も収益を圧迫する要因となった。

製造業は1年ぶりの下降。食料品や繊維製品、機械・機械部品で売上高の減少が目立ち、仕入れ価格の上昇により収益性も悪化した。今後も仕入れ価格上昇への懸念は強く、中国の都市封鎖の影響などの不安材料も多くなっている。

商業は、感染拡大に伴う売上高の減少に加え、仕入れ価格の急上昇の影響を大きく受けた。販売価格への転嫁の動きは一部に限られ、資金繰りが悪化している事業者は3割強を占めている。

サービス業は、東京都や大阪府などに緊急事態宣言が出されていた前年同時期とほぼ同じ水準まで大幅に下降した。旅館・ホテル業、飲食業に限らず幅広い業種で感染拡大の影響がみられた。

経営上の問題点は、「売上不振」が31・2%で前回に続きトップ。2位は「原材料価格の高騰」が28・6%で、05年以降で過去2番目に多く、半年で10㌽増加した。次いで「人材不足」16・7%、「競争の激化」6・6%だった。

 

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