ミカンと菓子の元「橘」 海南の小学校に植樹

ミカンとお菓子発祥の地「海南」を身近に感じてもらおうと、和歌山県海南市は市内の小学校4校に「橘(たちばな)の木」を贈り20日、各校で植樹式が行われた。

同市がミカンとお菓子の発祥の地とされるのは、同市下津町の橘本(きつもと)地区にミカンの原種で、お菓子の起源といわれる橘が日本で初めて植えられたことにちなむ。市は2018年、全国でも珍しい「お菓子の振興に関する条例」を制定。翌年から市内の小学1年生を対象に出前講座を始め、ミカンやお菓子の神様「田道間守(たぢまもり)」を祭る同地区の橘本神社の歴史などを子どもたちに広めている。

寄贈した橘は、同神社の御神木の穂木(ほぎ)から育てた2年生の苗木。御神木は樹齢130年ほどで、同市の天然記念物にも指定されている。

この日、加茂川小学校での植樹式には同校2年生14人が参加。胴の部分が橘の実という市の公式キャラクター「海(かい)ニャン」が見守る中、一般社団法人同市観光協会お菓子部会の野田智也部会長が「お菓子の神様と祭る神社の名前は?」と質問。児童らは声をそろえ「たぢまもりー」、「きつもとじんじゃー」と元気よく答えた。

同校に植樹された橘は3本で、高さはそれぞれ80㌢ほど。児童たちは、野田部会長の「おかしー」の掛け声に合わせ、シャベルやクワで丁寧に土をかけた。

この後、大東小学校でも植樹式が行われ、2年生17人が参加。日当たりの良い中庭に橘の木2本を植えた。

橘の木にシャベルで土をかけた石倉妃華さん(7)は「大事にかけた。食べるのが楽しみ」と笑顔。

橘本神社の前山和範宮司(59)は「橘は、子どもたちに海南がミカンとお菓子の町だと分かってもらうにとても良い教材。自分たちが育てることで心も一緒に育んでもらえれば」と話していた。

この他、市は下津小学校と中野上小学校にも橘の鉢植えをそれぞれ1基づつ贈った。すでにつぼみや花が咲いているものもあり、順調に育てばことし12月ごろに小さな実が味わえるという。

「大きくなーれ」と願いながら植樹する加茂川小学校の児童ら

「大きくなーれ」と願いながら植樹する加茂川小学校の児童ら

 

大東小学校では中庭に橘の木が植えられた

大東小学校では中庭に橘の木が植えられた

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧