子どもの発達の悩み共有 親の会発足1年

自閉症や知的障害など、子どもの発達に悩みを持つママのサークル「ナナイロKids」は、毎月、海南福祉センター(和歌山県海南市日方)に集まり、情報交換するなどの活動をしている。代表の橋爪有貴さん(37)は「同じ悩みを持つ人の道しるべになれば。こういうサークルがあることを知ってもらいたい」と話す。

同サークルは、「健常者には分かってもらえない悩みを気軽に相談できる場に」と、療育施設に通っていた子の母親ら6人が昨年4月に立ち上げた。

「おむつ外れが遅い」、「かんしゃくを起こす」、「親を介さないと意思疎通ができない」など、外見では分かりづらいために理解されにくい育児での悩みがあるという。

7歳男児の母親、小倉奈々美さん(32)によると、発達障害だと疑われる場合は市の1歳半や3歳児検診で指摘されることが多く、伝え方も確定的ではないため、その先の診断や方向性は親の意志に委ねられるという。「じゃあ、どうしたらいいの」と、相談先や療育施設に関する情報がなく、ほぼ手さぐり状態だったと振り返る。

交流会では、同じ悩みを抱える親同士で話をすることで共感してもらえ、違う考え方、アドバイスなど、さまざまな角度から意見をもらえるという。

小倉さんは、息子が左右の服のすそを人差し指で何時間もくるくる回すことに悩んでいた時、周囲から「うちは髪の毛だったよ」、「くるくる回すハンドスピナーをつけたら面白いのでは」などとアドバイスを受け、楽しい発想も得られたという。

小倉さんは「相談士さんだと重い答えが返ってきて『どうしよう』しかなかったが、ここでは自分の思いを吐き出すだけで、とても気が楽になり心に余裕が持てるようになった」と話す。メンバーは和歌山市や海南市の人などさまざま。「気軽に遊びに来てもらえたら」と呼び掛けている。

今後はイベントなどの開催も予定。「周りの目はまだまだ厳しく、イベントに行ってもすぐ帰ろうとなり、参加しづらい。子どもたちの思い出や居やすい環境をつくってあげたい。健常者にも知ってもらい、同じ社会に居場所をつくってあげられれば」と話している。

活動参加や問い合わせはインスタグラム(@7iro.kids)から。

子育ての悩みを共有し合う母親たち

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