災害時の停電復旧へ 関西電力送配電が訓練

台風シーズンを前に、関西電力送配電㈱和歌山支社(和歌山市岡山丁)は16日、琴の浦訓練場(同市毛見)で非常災害時における復旧訓練を実施し、社員約40人が参加した。

関西電力の送配電部門を担う同社は、電力の安定供給のため、鉄塔や電柱といった送配電設備の維持や管理などにあたっている。この日の訓練では、台風による強風で高圧線が断線したという想定のもと、同支社和歌山配電営業所の保全員8人が復旧訓練に努めた。

保全員らは、電柱8本の中から停電事故箇所を探査。停電エリア内に病院があることを想定し、発電機車を使って応急配電を行った。その間に断線した電線をつないで配電の復旧作業を行うなど、連携の取れた作業運びで円滑に訓練を進めた。

同支社では年2回、6月と12月に同訓練を実施する他、2019年からは発電機車の点検や給油方法といった運転監視業務について、他部門の社員らと知識と技術を共有する訓練も開始。

18年に発生した台風21号で配電設備が甚大な被害を受け、広範囲かつ長時間にわたって停電が発生したことを教訓にスタートしたもので、部門を越えた社員らが一体となって非常災害時に備えられるよう、訓練を強化しながら続けている。

今回の訓練の責任者を務めた、同営業所保全係の稗田剛也係長は「早期送電で焦る気持ちはあるが、安全最優先で落ち着いて作業にあたるように努めている」と話し、「各作業をよく理解して責任者指示のもと、メリハリのあるいい訓練ができた」と講評。県民に対しては「電線が垂れていても、感電の恐れがあるので絶対に触らず、弊社までご連絡ください」と呼び掛けた。

同社では、関西エリアの停電状況をリアルタイムに確認できる無料アプリ「関西停電情報」を提供しており、利用を呼び掛けている。最大10地域まで登録でき、事前登録した地域で停電が発生するとプッシュ通知で知らせが届き、発生時間や復旧作業の進捗(しんちょく)状況、復旧見込み時間なども確認できる。

連携を取りながら円滑に訓練を進める保全員たち

連携を取りながら円滑に訓練を進める保全員たち

 

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