羽田―南紀白浜空港線の利用者数が好調! 4便化増便の実証実験を提案

二階 俊博

コロナ禍の旅行・出張需要の落ち込みで大きな影響を受けていた、羽田―南紀白浜空港線の利用者数が復調の兆しを見せています。今年4月の搭乗者数が1万4512人となり、4月期としては1968年に南紀白浜空港が開港して以来、過去最高を記録しました。コロナ禍の影響から着実に利用者が回復していることが確認されました。
私は全国の旅行会社約5500社が加盟する、全国旅行業協会の会長を務めていますが、日本国内でも最も早く航空路線が復活している地域と言えます。和歌山県の観光産業の復活は県の浮沈の鍵を握ると言っても過言ではありません。しかも裾野の広い産業であり、関連する仕事に従事されている方も大変多いだけに、この状況は本当に喜ばしいことであり、改めて関係者のご努力に感謝申し上げたいと思います。
私はコロナ禍で影響を受けた和歌山県の観光産業は、コロナ禍以前の水準に戻すことを目標とするのではなく、さらに高い水準に引き上げることを目指すべきと考えます。その観点から、私は将来の増便を念頭に、現在1日3便の運航体制である日本航空の羽田―南紀白浜路線を増便して一日4便とする実証実験を実施することを国土交通省、和歌山県、日本航空、南紀白浜エアポート等の関係者に提案しています。仮に羽田―南紀白浜線の4便化実証実験が実現すれば、南紀白浜発の初便出発時刻が7時台、羽田発の最終便出発時刻が18時台となることが予想され利用者の利便性が大きく向上することが見込まれます。これまでは、南紀白浜空港の初便を利用しても、午前の会議等には間に合いませんでした。また、羽田発の最終便が18時台になれば、和歌山県内にお越しになる観光客の皆さまがこれまでは週末利用の場合、1泊2日の旅程が多かった訳ですが、2泊3日に延長していただくケースも増えると見込まれます。
実証実験はまずは1カ月程度となる見込みですが、実績を残すことができれば将来の4便化に繋がることが期待されます。今後は海外からのインバウンドのお客さまの復活や、ワーケーション、二拠点化生活といった新たなライフスタイルの浸透、串本のロケット打ち上げ施設の完成等、まだまだ新規需要創出の可能性が、和歌山県内にはたくさんあります。そして、何といっても2025年の大阪・関西万博は世界中のお客さまに和歌山県を知っていただく、絶好のチャンスだと考えます。コロナの先を見据え、私たちが今取り組まなければならないことはたくさんあります。政治は言葉だけでは意味がありません。行動し結果を出すことが何よりも重要です。官民一体、和歌山県の総力を結集して、これらの課題に取り組んでまいりたいと思います。

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