誰一人取り残さない 海南市が防災研修会

海南市は南海トラフ地震に備え、あらゆる人の避難を想定し、誰も取り残さない「インクルーシブ防災」を学ぶため、27日職員を対象に研修会を実施した。

インクルーシブとは、要配慮者である高齢者や障害者、乳幼児ら、あらゆる人の命を支えようという防災の考え方。東日本大震災をはじめとする大規模災害で高齢者や妊婦らの取り残しや、避難環境に十分適応できなかったとの報告が多くあったことから、市は避難所設置や運営実施ができるよう、DVD視聴を交え、説明した。

研修会には、避難所配備職員と避難所管理プロジェクト職員、要配慮者支援業務に関わる計51人が参加。障害者や高齢者が避難所で生活するためには、どんな配慮が必要かなどを学んだ。

社会福祉法人NHK厚生文化事業団制作のDVDを視聴。東日本大震災や2016年の熊本大震災を体験した、持病のある人や車イスを利用する障害者が避難所で生活した体験を例に挙げ、防災を考える際は、地域と避難時に配慮が必要な人が共に計画を立て対話し、インクルーシブ防災をどのようにしたら実現できるかを考えることが大切であると伝えた。

説明では、市民交流課が女性の視点での避難所運営の大切さを話し、着替えやトイレなどプライバシーへの配慮やルール作りが必要だと話した。社会福祉課は避難所などで生活する障害児とその家族への配慮、高齢介護課は高齢者が避難所で抱える問題とその対策について説明。参加者は平時からの備えの重要性を再認識した。

 

インクルーシブ防災について学ぶ職員ら

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