過去最多新規609人 感染急拡大で医療逼迫も

和歌山県が12日に発表した県内の新型コロナウイルス新規感染者は609人で、2月2日以来160日ぶりに過去最多を更新した。前週の同じ火曜に比べて330人増え、前週比の増加は22日連続。新規クラスター(感染者集団)も一日当たりの最多7件を認定した。県福祉保健部の野㞍孝子技監は「さらに最多を更新することもあり得、県民一人ひとりの行動に懸かっている」と述べ、基本的な感染予防対策の徹底を繰り返し呼び掛けた。

609人の保健所管内別内訳は、和歌山市326人、海南37人、岩出42人、橋本42人、湯浅15人、御坊54人、田辺45人、新宮40人、県外8人。和歌山市は152日ぶりに300人を超え、御坊、田辺、新宮は過去最多となった。

新規クラスターの場所と感染者数は、447例目が御坊管内の小学校で児童9人、448例目も御坊管内の小学校で児童11人と職員1人、449例目は和歌山市の小学校で児童9人、450例目は御坊管内の通所型障害者支援施設で利用者7人と職員2人、451例目は御坊管内の飲食店で従業員8人、452例目は田辺管内のこども園で園児11人と職員5人、453例目は新宮管内の運動クラブで所属の小中学生6人と指導者1人。

直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体が前日比35・7人増の305・5人で、143日ぶりに300人を上回り、22日連続で増加した。

県内の感染者は累計4万8494人。入院者数は246人、重症者は県基準で13人、国基準の該当者はなく、肺炎患者は24人。病床使用率は48・1%。自宅やホテルでの療養者は2307人。

野㞍技監は、急速な感染再拡大の要因として、感染力が強く、免疫をすり抜けやすい特徴があるオミクロン株の変異系統「BA・5」への置き換わりが進んでいるとみられることを挙げ、気の緩みで予防対策が不十分になっていると考えられるとも指摘。

コロナ禍以降はほとんど確認されていなかったインフルエンザへの感染が3保健所管内で確認されていることも明らかにし、新型コロナにインフルエンザの流行が重なった場合、「医療体制が保てなくなることも考えられる」と危機感を示し、マスクの着用や手指の消毒、3密の回避など基本的な対策の徹底を求めた。

県はまた、高齢者施設の入所者30人について、ワクチン接種後の抗体値の変化測定データを公表。1回目、2回目の接種後には抗体が確認できない陰性者がいたが、3回目接種の約4カ月後は陰性者はおらず、1、2回目よりも明らかに抗体値の上昇がみられたという。

野㞍技監は、高齢者は4回目、その他の人には3回目のワクチン接種を改めて勧めた。

第7波の感染急拡大に危機感を示した野㞍技監

第7波の感染急拡大に危機感を示した野㞍技監

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