花王と消防初訓練 化学物質タンク火災想定

和歌山市湊の花王和歌山工場は、化学物質を保管するタンク付近で火災が発生したという想定で、中消防署と初めての合同訓練を行った。

同工場では、地震や火災など有事を想定した訓練を年5回ほど実施しているが、消防との合同訓練は今回が初。訓練には同工場の従業員で構成する「自衛消防隊」と同署の消防隊員ら合わせて約50人が参加。消防車など計12台が出動した。

訓練は、シャンプーや洗剤などの原料で、消防法で危険物に指定されている「高級アルコール」を貯蔵するタンク付近で配管工事中に火災が発生し、逃げ遅れた人がいるという想定のもと行われた。

訓練には、敷地内にある廃棄予定の貯蔵タンクを活用した。自衛消防隊が駆け付け、高所化学消防車などを使って、初期消火の動きを確認。通報を受け到着した消防隊員は、タンクに向けて放水したり、はしご車で逃げ遅れた人を救助したりしていた。

また防災現場本部では、自衛消防隊と消防隊員らが連携し、正確な情報伝達の過程を確認し合った。

訓練終了後、同署の中芝清之署長が講評を行い、「危険物施設での火災には迅速な通報体制と正確な情報伝達が必要。検討会を開き、今後の活躍に生かしてほしい」と述べ、同工場の山口浩明工場長は「消防の動き、声の出し方すべてが勉強になった。訓練の質を上げ、いろいろな場面を想定し着実に実力を上げていきたい」と話していた。

 

貯蔵タンクに放水する消防隊員ら

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