決勝は智弁VS桐蔭 高校野球和歌山大会

第104回全国高校野球選手権和歌山大会は29日午前11時から、和歌山市毛見の県営紀三井寺公園野球場で決勝が行われる。全国大会2連覇を目指す智弁和歌山と、36年ぶりの和歌山大会制覇が懸かる古豪・桐蔭が激突する好カード。桐蔭が勝てば21回目、智弁が勝てば26回目の夏の聖地出場となる。

両校が決勝で顔を合わせるのは1989年の第71回大会以来、33年ぶり。当時は、智弁が延長13回の激闘を制し、2―1のサヨナラ勝ちで優勝を決めた。直近の公式戦では、2019年5月11日の春季和歌山大会準決勝で対戦し、この時も4―0で智弁が勝利している。

桐蔭は「大胆かつ緻密の野球」をモットーに、犠打や走塁で得点圏に走者を進め、好機では思い切りの良いスイングで得点を積み重ねるチームスタイル。

2回戦からの登場となった今大会は、初戦で那賀を8―2、3回戦で慶風を4―0と危なげなく下したが、準々決勝は神島の終盤の追い上げで同点とされた末、4―3の劇的なサヨナラ勝ちを収めた。

準決勝では、今春のセンバツ大会で1勝を挙げた和歌山東と対戦。厳しい戦いも予想されたが、序盤の大量得点で10―0の5回コールド勝ち。4試合で26得点、失点わずか5と、投打のバランスが優れている。

投手陣は、上手投げの技巧派左腕のエース寺田と中軸打者でもある高野の2人が支える。寺田は制球が良く四死球が少ない。高野は高身長を生かした落差のあるフォークが武器。今大会では高野が先発し、寺田がリリーフに回っている。

智弁の強力打線を抑えるにはバッテリーの力が重要。捕手の西尾はブロッキング、キャッチングとも優れ、和歌山東戦では二盗を刺すなど肩も強い。好リードが期待される。

打線は、西、谷山、有本、高野の上位が好調。先頭打者の西については、矢野監督も「お手本のような良い打撃」と賞賛する。3番の有本主将と4番高野が走者をかえす流れが大会前の想定通りに機能しており、智弁の投手陣にも必勝パターンで挑む。

智弁は今大会、初戦の田辺を7―0で破ると、3回戦は向陽を7―0、準々決勝は日高中津を15―1、準決勝は勢いに乗る和歌山南陵を9―2と4試合全てをコールド勝ちの強さを見せている。

投手陣は、常時140㌔以上の高めに伸びる直球とスライダーの切れ味が鋭い右スリークオーターの塩路と、揺れ動くジャイロ回転の球で相手打者を翻弄(ほんろう)する本格派の武元が注目。橘本、西野、濵口、清水ら控え投手も充実し、層が厚い。

打線は、山口が今大会3本塁打を放ち、ドラフト注目の渡部も1本塁打を記録。安定した得点力を誇り、ビッグイニングもつくっているが、中谷仁監督は「他の回に得点できなかったことが課題」と厳しい。準々決勝では、岡西の満塁弾と渡部の3点本塁打に加え、適時打も多く飛び出し、準決勝も序盤から終盤まで得点を重ねた。中谷監督は「何が何でも勝つんだという気持ちで臨む」と、決勝へ気を引き締める。

両チームとも個性豊かな選手がそろい、頂上決戦にふさわしい熱い一戦となりそうだ。

 

投手2本柱をリードする西尾(桐蔭)

 

今大会3本塁打の山口(智弁)

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