中学国語読解で課題 全国学力テスト県内

和歌山県教委は29日、小学6年生と中学3年生を対象にした、2022年度全国学力・学習状況調査の県内結果を発表した。小学校は国語、算数、理科ともに平均正答率は全国平均並み。中学校は数学が全国平均と同程度の結果になり、昨年より改善が見られた。一方、国語と理科は全国平均を下回り、問題を最後まで読み解く力や、論理的に解釈することなどへの課題が残った。

全国学力テストは4月に実施され、県内の小学校は223校の約6580人、中学校は117校の約6160人が受けた。「教科に関する調査」では、国語と算数・数学に加え、通常3年ごとに実施される理科が、一昨年は同テストが新型コロナウイルスの影響で実施されなかったことから、4年ぶりに調査対象となった。

県内公立校の小学国語は65%(全国66%)で全国23位、算数は63%(63%)で15位、理科は63%(63%)で17位。中学国語は66%(69%)で46位、数学は50%(51%)で28位、理科は46%(49%)で46位。

テストの他、全69項目の質問紙調査の結果も発表され、「授業では、課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組んでいましたか」について、「当てはまる」「どちらかといえば、当てはまる」と答えた割合が小中学校ともに全国平均を下回った。

義務教育課の大樫浩史課長は「非常に多くの課題がある。特に中学国語に対しての危機感はずっと持っている」とした上で、「授業改善をし、成果が出ているかを確認しながら軌道修正していくなど、学校をしっかりとサポートしていきたい」などと話した。

課題解決には授業改善による授業力の向上を挙げ、本年度は特に中学国語の教員研修に重点的に取り組む。今秋には新たな試みとして、県内全域を8地方に分け、数人の教員に授業づくりをしてもらい、エリア周辺の教員が授業風景を見学し、意見交換を行うプログラムを予定。学力向上プログラムとしてこれまで年1回実施していた「県学習到達度調査」を本年度から年2回(4、12月)に増やし、定着状況を丁寧に把握していくという。

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