忍法ミストの術 和歌山城で涼のおもてなし
和歌山市の和歌山城では、観光客に涼を感じてもらおうと、黒装束を着た忍者が噴霧器で冷たいミストを吹き掛ける夏限定の「忍法!おもてなしミストの術」を実施している。9月中旬まで。
登城する人の暑さを和らげようと8年前から始まった取り組み。国の史跡である和歌山城は、文化財保護などから大型の機器の設置が難しく、持ち運びができる小型の噴霧器を採用した。
小高い平山に建つ天守閣へは、「表坂」、「裏坂」、「新裏坂」と呼ばれる三つの登城ルートがある。それぞれ70段から102段の石段を上る必要があり、夏場は海抜42㍍の天守閣前広場に着く頃には、汗だくになっている観光客の姿も。そこで活躍するのが、市の委託を受けて城観光のサポートをする「一般社団法人城プロジェクト」のおもてなし忍者。背中に背負った噴霧器から冷たいミストを吹き掛け、観光客らに“おもてなし術”を披露する。ミストの後は一緒に写真撮影を楽しむ観光客もおり、毎年好評だという。
新裏坂から登城した愛知県の藤山桃花さん(11)と梨花さん(9)姉妹は「気持ち良い。暑かったからうれしい」と笑顔で霧状のミストに手を伸ばし、しばしの涼を楽しんでいた。
和歌山城整備企画課の柳雄介さん(35)は「暑いイメージのある和歌山城だが、ミストや天守閣で感じる心地よい風など、夏ならではの城の楽しみ方を見つけていただければ」と呼び掛けている。
月曜、火曜を除く午前10時から午後4時まで、天守閣前広場で実施している。雨天中止。
問い合わせは同課(℡073・435・1044)。
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