連覇の夢届かず 智弁まさかの初戦敗退

智弁、82年ぶりの〝夢〟消える―。第104回全国高校野球選手権大会は第8日の13日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2回戦の4試合が行われ、大会連覇を目指す和歌山県代表の智弁和歌山は、國學院栃木(栃木)に3―5で敗れた。先発の武元一輝、6回途中から救援した塩路柊季が力投。しかし、自慢の長打力も1番山口滉起の1本に終わり、夏連覇の重圧はあまりにも大きかった。

智弁和歌山 0 2 0 0 0 1 0 0 0 3
國學院栃木 2 0 0 0 0 2 0 1 × 5

〔智〕武元、塩路―渡部〔國〕中澤、平井、中川、盛永―武田▽本塁打=平井(國)▽二塁打=山口(智)、平井、長田(國)

試合後、相手の校歌を聴く智弁ナイン

試合後、相手の校歌を聴く智弁ナイン

県勢としては、1939年~40年の海草中以来、82年ぶりの連覇の夢は初戦でついえた。

序盤から2点を追う展開となったが2回、一死1、3塁の場面で、8番中塚遥翔が2球目のカーブを振り抜き右前適時打で1点を返すと、続く9番山田久敬が犠打を決め、すぐさま同点に追い付いた。

3回には、二死1、3塁の好機をつくるも6番武元が遊ゴロに打ち取られて勝ち越しとはならなかった。

同点で迎えた6回、グラウンド整備を終え、この回から登板した國學院栃木の2年生エース盛永智也を攻め一死2、3塁の好機をつくると、中塚は二ゴロに打ち取られたが、その間に3塁走者の青山が本塁に生還し、待望の勝ち越し点を奪った。

粘りの投球を続けていた武元だったが、6回に先頭を出塁させると、國學院栃木の4番平井悠馬主将に3塁線を襲う二塁打で同点に追い付かれた。続く無死1、3塁のピンチで6番長田悠也に高めのスライダーを左中間に捕えられ、逆転を許した。初球を狙い打ちされた武元は、「少し甘くなってしまった」と涙をこらえた。

6回途中から塩路に投手交代。8回には、平井に初球を仕留められソロ本塁打を浴び、2点差に突き放された。塩路は5回から登板するつもりで3回から肩をつくったが「けっして良い状態ではなかった」と振り返った。

昨年の王者の意地を見せたい智弁は、9回無死で先頭の山口が左翼への二塁打で好機をつくり、二死と追い込まれたところで4番岡西佑弥主将に打席が回った。「絶対に最後まで諦めない」という気持ちで高めの直球をフルスイング。しかし、遊飛に打ち取られた。敗れた智弁は終盤の被本塁打が響き、あと1本が出ず、國學院栃木の勢いを止めることができなかった。

試合後、岡西主将は「連覇の重圧は多少あったけど、目の前の相手を倒していかないといけない中でまだまだ実力が足りなかった」と反省。

中谷仁監督は先発の武元について、直前まで塩路と迷っていたことを明かし、「6回の継投で後手に回った」と悔やんだ。共に戦った選手に対しては「連覇の期待を選手に背負わせ過ぎた。本当に頑張ってくれた彼らを誇りに思う」とナインをねぎらった。

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