起業へ学生プレゼン 地元経営者と意見交換

起業を志す大学生や高校生によるビジネスプランの発表会が26日、和歌山市七番丁のダイワロイネットホテル和歌山で開かれた。県経営者協会会員の有志でつくる「経営のコツを気づく会」(会長=太洋工業㈱細江美則社長)のメンバーを前に、参加した生徒たちは緊張した面持ちでそれぞれの構想をプレゼンテーションした。

同会は10年前、経営者の資質向上を目指して発足した。現在は製造業、建設業、小売業などさまざまな業種の経営者68人が活動。年5回例会を開き、情報交流や事業所見学などを行っている。

ビジネスプラン発表会は今回で5回目。和歌山大学で起業する学生が増える中、地元の経営者と意見交換する場があればと大学が同会に相談し、実現した。

今回は初めて高校生も参加。慶風高校起業部の林紗愛さん(3年)は、高齢化が進む紀美野町の活性化に向け、地域の高齢者を対象にしたファッションショー、「カムカムエブリGBA(じぃばぁ)!」を提案。起業する上で重要な、利益の推移や開催までのスケジュールも具体的に計画した。発表では、古着や着物の古布をリメークした衣装でファッションショーを再現し、会場を盛り上げた。

同プランは東和薬品が主催する高校生ビジネスコンテストで準グランプリを受賞し、ファッションショーは同町の文化祭で披露する予定だという。

また、和歌山大学3回生の松田凌弥さんは「高校生の『やりたい』を見つける」をテーマに、留学を希望する学生と留学生を結び付けるワンストップのサービスを、同大大学院2回生の劉育伯(りゅう・いくはく)さんは塾とフリースクールを合わせた事業の構想を発表した。

その後、開かれた意見交換会では「着眼点がとても良い」といった評価の一方、「売り上げが過大に計算されている」、「ビジネスの規模が分からない」など、現場に立つ経営者目線からの厳しい指摘や質問も。発表者は、真剣な表情でメモを取るなど、起業への夢を膨らませた。

発表した林さんは「すごく緊張した。なかなかない機会で、的確な指摘が聞けて良かった」と話していた。

リメークした古着を手に説明する林さん

リメークした古着を手に説明する林さん

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