食前梅酒キャンペ展開 GIと宿泊業者コラボ

和歌山県の特産品「GI和歌山梅酒」を活用し、地域活性化に向けた異業種連携プロジェクトが始動した。生産事業者が加盟するGI和歌山梅酒管理委員会(中野幸生会長)と県内宿泊事業者がコラボレーションし、宿泊客の夕食時の食前酒にGI和歌山梅酒を提供するキャンペーンを展開することで、地産地消や観光産業の活性化を図る。7日、和歌山市のダイワロイネットホテル和歌山でお披露目会が開かれた。

GIは地理的表示のことで、特定の産地ならではの品質や社会的評価などの特性がある農林水産物や食品などの産品の名称を知的財産として保護し、厳しい基準を満たした産品だけが地域ブランドを独占的に名乗ることができる国の制度。酒類のGIは国税庁長官が指定し、リキュールで指定を受けているのは「GI和歌山梅酒」だけ。

GI和歌山梅酒には、県内で収穫された新鮮な青梅や完熟梅のみを用い、浸漬する酒類1㌔㍑あたり300㌔㌘以上使用すること、生産工程を県内で行うことなどの基準があり、同委員会が管理している。現在、30社の97銘柄をGI和歌山梅酒として認定している。

今回のプロジェクトは、国税庁のブランド化・酒蔵ツーリズム補助金を活用して実施。「食前梅酒キャンペーン」と銘打ち、観光客をターゲットに、県内の宿泊施設の夕食時の食前酒としてGI和歌山梅酒を提供する。県を訪れる観光客数は、コロナ禍前で年間約3500万人(うち宿泊約550万人)に達し、キャンペーンにより、和歌山に関心を持つ人々に対し、県オリジナルブランドであるGI和歌山梅酒を効果的にPRできる。

食前酒提供時は、PRチラシの配布や卓上ポップ設置の協力も依頼し、売店でのGI和歌山梅酒の販売も促進する。宿泊施設にとっては、顧客満足度やリピーター率の向上などが期待できる。

お披露目会では、県内宿泊事業者組織の代表として、県旅館ホテル生活衛生同業組合の利光伸彦理事長と中野会長がプロジェクト実施の協定に調印した。

中野会長はあいさつで、「梅酒を通じて和歌山の魅力を発信できるプロジェクトだと考えている」と意義を語り、利光理事長は「和歌山の宿泊施設では、食前酒に梅酒が最も多く使われてきた。GIのブランドを生かしておもてなしをし、アピールできるよう頑張っていきたい」と話した。

調印に続き、試飲会が行われ、出席者は生産事業者による味などの特徴の説明を受けながら、10銘柄の梅酒の飲み比べを楽しんだ。

プロジェクトでは今後、JR西日本の観光列車「WEST EXPRESS 銀河」車内でのPR、販売を行う他、オリジナルのデザインラベルを製作し、ノベルティ(記念品)のプレゼントキャンペーンなども進める。

 

協定書を手にする中野会長㊧と利光理事長

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