北海道からリモート工場見学 松田商店で

資源リサイクルセンター㈱松田商店(和歌山市西河岸町)が手掛けた「リモート版体験型工場見学システム」を利用し、北海道紋別郡遠軽町の遠軽小学校の4年生24人が8日、リモートによる工場見学を体験。同社が制作したDVDを鑑賞したり、クイズに挑戦したりしながら、ペットボトルなどが資源として再利用される仕組みや、分別することの大切さなどを学んだ。

同社では2006年から、県内外の小学生を対象に体験型工場見学をスタート。年間4000人もの児童が同社を訪れ、環境問題やリサイクルの大切さなどを学んできた。

しかし、新型コロナウイルスの影響で、20年4月からは見学受け入れを中止。コロナ禍でも児童のためにできることは何かを考え、試行錯誤しながらリモートシステムを完成させ、同年12月には初のリモート工場見学を実施した。

以降10回程度、県内の学校とリモートでつながり工場見学を実施してきたが、県外の学校は今回が初めて。同校の教諭がインターネットで全国的にリモート見学を受け入れている施設を検索し、同社を知り、申し込んだという。

児童らは同社が事前に郵送したDVDを鑑賞。300年後の荒廃した未来からの訪問者と共に、自分たちの美しい地球を守るために重要な分別やリサイクルについて学んだ。

その後児童らは、同社2階にある体験型工場見学システム「くるくるシティ」とリモートでつながり、クイズに挑戦。世界では年間4800億本ものペットボトルが消費されていて、そのうち年間543㌧が同社に運ばれてくることや、正しいペットボトルのリサイクル方法などについて学んだ。

同社の西坂奏楽(そら)さん(21)は、児童らの質問に答えた後「300年後の地球はどうなっていると思う?」と問い掛け、「答えはみんなが頭の中に考えたこと。過去は変えられないけれど、未来は変えられる。きちんと分別、リサイクルしてみんなで美しい地球を守っていきましょう」と呼び掛けた。

西坂さん自身も、小学4年の頃に同社で工場見学したといい、「純粋な心で学んでくれた子どもたちが、これを機に分別するようになってくれれば」と願った。

代表取締役の松田多永さんは、初の県外、北海道からのリモート見学について「コロナ禍でも得られるものがあった」と笑顔。今春からは対面での見学を再開し、小学生10人以上の団体を受け入れているとし、「近くなら実際に来てもらうのが一番いいので、いつでもお問い合わせください」と呼び掛けている。

児童らに笑顔でクイズを出題する西坂さん

児童らに笑顔でクイズを出題する西坂さん

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