卒業生ら「懐かしい」 山口小で150年展

ことし創立150年を迎えた和歌山市立山口小学校(同市里)の歩みを紹介する展示が9日まで、同校敷地内「みらい館」で開かれている。明治初期から現在に至るまでの学校の沿革史と各時代の学校の様子が分かる写真24点などが並び、訪れた卒業生らが当時のことを思い出しながら、懐かしそうに見入っている。

地区の人で構成する、山口小学校150周年記念事業実行委員会歴史展示部会のメンバーが、同校の歴史を知ってもらおうと企画。

同校は1873年4月1日、旧紀州藩山口御殿跡に山口尋常小学校として開校。市内の小学校では4番目。同御殿の屋敷を校舎として活用し、当初は児童60人ほどが通っていたという。1900年に滝畑分校を設置(2015年廃校)。1959年、山口村が同市に合併となり、現在の校名となった。

会場では、「葵紋」の鬼瓦を掲げた旧山口御殿の面影が残る木造校舎や、天皇陛下の写真を納めた奉安殿などの貴重な写真を展示している。この他、同地区の石山さわさんが制作した同校のジオラマも公開。当時、まだ珍しかった鉄筋コンクリート建ての講堂(54年建立)など、今はなき懐かしい姿を振り返ることができる。

また、3年前に伐採されたメタセコイアの幹に校章を手彫りした、直径1㍍以上もあるオブジェも設置。メタセコイアは54年度卒の児童たちが植樹したもので、山口地区のランドマークとして地域の人に愛されていた。

地域の人たちが使っていた農具や生活道具、山口村里の昭和初期の街並みを再現したパネルもあり、学校周辺の地域の営みや歴史を知ることができる。

卒業生の園部尚正さん(80)は、同校の校長だった祖父・徳四郎さんが写る集合写真を見て「厳しい祖父だったが、話はとても面白かった」と懐かしみ、「古い歴史ある学校で、今の子どもたちにも知ってもらえたら」と母校に思いをはせた。

沿革史作成を中心に担当した同会の持田耕一さん(77)は「きっちりと整理して、後世に残していきたい」と力を込めた。

平日は午後3時半から4時半まで、日曜は午前10時から正午までと午後1時から午後3時まで開放している。

山口小の150年を振り返る来場者ら

山口小の150年を振り返る来場者ら

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