国産ピーカンナッツ 橋爪農園で収穫期

国内では、ほとんど生産していないという希少な「国産ピーカンナッツ」が収穫シーズンを迎え、栽培する和歌山県海南市下津町中の橋爪農園では出荷作業に追われている。

北米を原産とするナッツの一種。実は細長く色が濃いのが特徴。苦味がなくかみ締めると甘みも感じられる。脂質が7割を占め、栄養価が高くアンチエイジングにも効果が期待できるという。

国内で流通するほとんどは輸入で、同農園代表の橋爪道夫さん(72)は「高齢化が進む農家にとっては扱いやすく有効的な作物。西日本での栽培に適した木なので早く産地化したい」と意気込む。

橋爪さんは約40年前、県出身の南国フルーツの権威で農学博士の米本仁巳さんと知り合ったことをきっかけに、南国フルーツの栽培を開始。10年ほど前、園内で育てる国産アボカドの根が枯れた所に、ピーカンナッツを植えたところ、ぐんぐんと成長し実をつけたという。湿気があり水分の多い土壌を好むことから、米本博士のアドバイスを受け、植え始めた。

これまでに約20本が成長。1本の木から約5㌔が収穫できる。薄い緑色の殻の中には茶色の実、その中に「核」の部分であるピーカンナッツが包まれている。ナッツの大きさも約5㌢と輸入のものの2倍ほど。クルミと違い、手で簡単にむくことができる。

熟した実は殻から落ちることから、橋爪さんは「下にネットを張れば落ちたときに集めやすい。軽いので高齢の農家でも作業しやすい。将来のために今、植えてほしい」と話す。

園内で栽培する国産アボカドも収穫が始まり、橋爪さんは「体にいいこと尽くめのピーカンナッツや国産アボカドをぜひ食べてみて」と話す。近隣の産直やインターネットで購入できる。詳細は同農園(℡073・492・1169)。

ピーカンナッツを栽培する橋爪さん、円内はナッツの実

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