盲学校にコミュニティ賞 地域貢献で評価

ボランティアに取り組む中高生を応援するプログラム「第26回ボランティア・スピリット・アワード」の「コミュニティ賞」に、和歌山市府中の和歌山盲学校(太田善孝校長)が輝いた。同校の中高生徒会役員が中心となって、集めた古着を換金し、地元の子ども食堂に希望物品を贈る地域貢献活動の取り組みが評価された。同校の受賞は今回が初めて。

同アワードには今回、全国の中学や高校355校が応募。同賞は同校を含め、150校が受賞し、県内では県立熊野高校(上富田町)も選ばれている。

同校では、中高生徒会役員らが「支援を必要としている人に自分たちができる支援を行う」をキーワードに、在校生や保護者、教職員らに呼び掛けて古着を回収し、換金して同市三沢町の子ども食堂「Kitchen夢小屋」に希望物品を寄贈する取り組みを昨年度から年2回行っている。これまでに回収した古着は約300~400㌔。これを元にフードカバーや配膳棚、机などを贈ってきた。

12日、同校で表彰式が行われ、主催するプレジデンシャルグループのジブラルタ生命保険和歌山第一営業所の嵯峨山健所長から川西星成(せな)生徒会長(高2)へ表彰状が贈られた。

受賞を受けて、チラシ作りなど活動の中心を担った中高生徒会の高等部役員も喜びの表情で、川西生徒会長は「2年間の活動が賞につながったことはうれしい。今後はもっと幅を広げられるようにやっていきたい」と笑顔。楠本修士さん(高3)は「地域とのつながりで受賞できたことはうれしい」、柴田凛々花さん(高2)は「協力してくれた皆さんのおかげ。誇らしく思う」今井崇嗣さん(高2)は「後輩にもつなげていきたい」と話した。

先月13日には、同賞を受賞した全国の中高生がオンラインで意見交換する場に同校も参加した。

同校の松下香好教頭は「自分たちでできることを、と始まった取り組み。賞をもらったことで、やればできるという生徒の自信にもつながる」と話していた。

ボランティア・スピリット・アワードは、1995年にアメリカでスタート。国際的な青少年のボランティア支援プログラムで、日本では97年から開催し、これまでに約4万8000通、総勢41万6000人の中高生からの応募があった。

 

受賞した中高生徒会メンバーら

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