子育て支援で評価 新中村化学に「くるみん」

子育てをしやすい職場環境整備に取り組んでいる企業を対象にした厚生労働省の「子育てサポート(くるみん認定)企業」に、和歌山市有本の新中村化学工業㈱が認定された。県内の認定企業は23社で、化学工業では同社が初。中村謙介代表取締役社長は「企業で働く人の多様性が求められる中、(くるみん認定は)職場環境を良くする一つの前進になった。これをステップに、元気でやりがいのある、社会に役立つ会社を目指していきたい」と話している。

「くるみん認定」は、次世代育成支援対策推進法に基づき、策定した行動計画に定めた目標を達成し、女性の育児休業取得率や労働時間数などに関する基準を満たすことで認定される。認定を受けると、認定マークを商品や、広告、求人票などに付けることができ、子育てサポート企業であることを内外にPRできる。

同社はアクリル系樹脂の開発、製造、販売を手掛ける化学メーカー。従業員数は243人で、うち女性は26人。2020年4月から22年3月にかけて行動計画を実施し、就学までの育児短時間制度の導入、週1回のノー残業デー、年次有給休暇の取得日数を1人当たり平均年間7日以上とするなどを目標に設定し、達成したことで認定基準を全てクリアした。

また、同社では相談体制を強化することで育児休業が取りやすい環境づくりや男性育児休業の促進、取得中のフォロー体制を整えたことで、女性の育児休業取得率は200%(すでに開始している従業員も含む)、男性の育児休業取得率は20%となった。

14日、同社で交付式が行われ、和歌山労働局の小島敬二局長は「県内企業の模範となり、今後も積極的に子育てと仕事の両立支援、ワークライフバランスの推進に取り組むことを期待する」と述べ、認定通知書を受け取った中村代表取締役社長は「安心して仕事をする環境づくりがますます重要になる。一丸となってこれからも頑張っていきたい」と力を込めた。

同社は「全従業員の幸福と、顧客への『お役立ち』を目指します」を経営理念に、若者の採用、育成に積極的に取り組む中小企業を対象とした「ユースエール認定企業」、経済産業省が実施する「健康経営優良法人」にも認定されている。

くるみん認定を受けた同社の中村社長(中央)ら

くるみん認定を受けた同社の中村社長(中央)ら