県民の笑顔を増やす 岸本知事の就任会見

岸本周平和歌山県知事の就任記者会見の主な発言は次の通り。

〈冒頭発言〉

部長会議で3点ほど申し上げた。県庁のミッションは県民を幸せにすること。幸せは人によって違うが、幸せな人は笑顔でいるので、われわれのミッションは県民の笑顔をつくり、増やしていくことだと。

県は、日本全体が抱えている少子高齢化や経済成長の鈍化、教育水準の低下などの課題先進県なので、職員が取り組むにも、実験的精神で、トライ・アンド・エラーを繰り返していくしかない。

上司の顔色をうかがうのではなく、県民の方を見てほしい。だから、知事の私にも「それは違いますよ」と堂々と言ってほしい。意見の違いをぶつけながら、笑顔で協議していこうと申し上げた。

一番大事なことだが、県庁内では「前例がありません」という言葉は禁句にした。前例を作るのが私たちの仕事だと。

〈質疑〉

―マネジャーとして市町村を応援することを強調されている。具体的にどう進めていくのか。

職員に、現場へできるだけ行って、声を聞いてもらうということ。特に振興局を重視していきたい。振興局の職員が市町村の味方になり、市町村長の肩を持って知事部局とやり合うぐらいのことをやってもらいたい。それぞれの現場の課題を把握して、一緒にハードルを下げる知恵を出していく。

―組織の改編や人事の考えは。

全く白紙だ。職員に、こういう組織にしたいということを挙げてもらい、一緒に組織を変えていきたい。短兵急に変える気持ちはない

―代名詞とも言える週末の辻立ちはどうするのか。

国会議員時代は私の責任でできたが、県庁の長になると、何か事故があった場合に私の責任ではなくなり、組織に大変迷惑をかける。辻立ちはとりあえず封印し、ひざ詰めで地域の方の声を直接聞く機会を増やすことで代えていきたい。

―第一に取り組みたいことは。

まず第1次産業、新しい観光産業の在り方、子育て支援。この3本柱について、どういう形で、どのような財源を、どのように工面しているのか勉強しながら、一定の成果を目指したい。

―目指す県の未来像は。

子どもたちが、和歌山県が最高だと思えるような県にしていくこと。県民は控えめで、自分たちをあまり素晴らしいと思っていない部分もある。大きな自然、歴史と伝統に恵まれ、いろんな意味で素晴らしい県だという認識を持ってもらうようにしたい。

―仁坂前知事の路線の何を変え、何を変えないでいこうと考えているか。

行政は継続性がすごく大事。県政の流れを継承した上で、どういうところに問題点があるのか、変えるところがあれば変えていく。

―県民の笑顔を増やすために、何をすることが大事か。

真剣に皆さんの声を聞いて、何が困っているのか、何が欠けているのか、吸い上げること。全部を実現することは難しいかもしれないが、1歩でも2歩でも、解決するように地道な努力を毎日コツコツやっていく以外にない。

就任記者会見で話す岸本知事

就任記者会見で話す岸本知事

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