市長賞に根耒さん いのち支えるポスターコンク

地域自殺対策強化事業の一環として和歌山市が実施した2022年度「いのち支えるポスターコンクール」の入賞者が決まり、最優秀の市長賞に市立和歌山高校2年の根耒奈央さん(17)の作品が選ばれた。表彰式は21日、市役所で行われた。

自殺の多くは追い込まれた末に起こっており、社会全体で考える課題であることから、市は、自殺を身近な問題として市民に捉えてもらうため、10年度から「命の尊さ・人とのつながりの大切さ」をテーマにポスターを募集。今回は100点の応募があり、市美育協会の奥村孝会長を委員長とする審査委員会で、市長賞の他、小学生以下、中学生、高校生、一般の4部門の優秀賞各1点と佳作7点を選んだ。

根耒さんの作品は、温かな黄色を背景に、子どもを中心に笑顔で並んだ3人の家族を描き、「あなたは誰かの生きる希望になる。」との言葉が添えられている。23年度の市の自殺対策啓発ポスターとして市内各所に配布、掲示される。

根耒さんは、真ん中に描いた子どもを中心に考え、もしもいなくなったら、必ず悲しむ人がいる大切な存在であることを表現し、温かい雰囲気になることを意識したという。「見る人がほっこりと、温かい気持ちになってもらえたらうれしい」と話していた。

表彰式では、尾花正啓市長が受賞者に賞状と記念品を手渡し、「感性豊かで、心温まる作品を描いていただき、ありがたい」と感謝。奥村審査委員長は「命の大切さを深く考えることが求められるコンクールで、皆さんの作品には、ひたむきさ、誠実さを感じた」とたたえた。

優秀賞、佳作は次の皆さん。

【優秀賞】小学生以下の部=太田聖香(大新小3年)▽中学生の部=坂本瑞姫(桐蔭中1年)▽高校生の部=野本胡桃(市和歌山高2年)▽一般の部=江川龍馬(23)

【佳作】杖村優妃(松江小3年)▽西澤瑠花(近大付和歌山中2年)▽瀧本絢心(伏虎義務9年)▽小門一葉(紀北支援高等部1年)▽山田明日香(和大付特別支援高等部2年)▽亀岡陽菜(県和歌山高3年)▽馬田真唯(20)

 

市長賞受賞作品の前で根耒さん㊧と尾花市長

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