永岡さんら3人の功績表彰 和歌山文化協会

第3回和歌山文化協会会長賞・奨励賞の受賞者が発表され、協会の発展に特に顕著な功績を残した人に贈る会長賞に茶道の永岡一惠さん(号・宗惠、和歌山市)、今後の発展、活躍が期待される人に対する奨励賞には、俳人の上野みのりさん(69、紀の川市)、声楽家の久保美雪さん(49、和歌山市)の2人が選ばれた。

和歌山文化協会(森本光子会長)は、郷土文化の発展と向上を目的に1950年に創立。華道部や文芸部など9部門があり、総会員数は約300人。両賞は、創立70周年を記念して創設された。

会長賞の永岡さんは61年、薗部連峰宗匠に師事し、表千家同門会に入会。63年、同協会茶道部に入会し、和歌山信愛女子短期大学、同中学校・高校の茶道部講師を務める。77年、表千家同門会県支部役員に就任。84年には表千家教授を取得し、99年から表千家の円融社に所属。県支部の発展に寄与したとして、表千家家元から功労者として表彰を受ける。

同協会茶道部長を25年以上にわたり務め、2014年から毎年、「チャリティー花寄茶会」の収益金を日本赤十字社県支部に寄付。同社から銀色有功章、金色有功章を受けるなど、社会貢献活動にも尽力している。

受賞について永岡さんは「想像もつかず、驚きました。長い間、茶道を通じてやってきたことが皆さんに認められて、大変うれしいです」と話している。

奨励賞の上野さんは78年、俳人の故・野澤節子さん、つじ加代子さんに師事。87年に同協会文芸部に入会。句作とともに陶芸も手掛け、同協会総合美術展に作品を多数出品してきた。2015年、つじさんから俳誌「水韻」を継承し、主宰となる。22年から文芸まつり(同協会主催)で、小・中学校の部の審査を担当するなど、後進の育成にも取り組む。俳人協会会員、和歌山俳句作家協会役員選者、毎日紀州俳壇選者としても活躍している。

奨励賞の久保さんは、大阪音楽大学声楽学科を卒業後、和歌山市の声楽家・多田佳世子さん、故・齋木幸子さん、中鉢聡さんに師事。多田さんが会長を務める和歌山市民オペラ協会に所属し、21年には新作オペラ「稲むらの火の物語~梧陵と海舟」で主人公の妻役を好演。同作は第20回佐川吉男音楽賞を受賞し、高く評価された。県文化振興財団の要請を受け、県内の小中学校や高校、高齢者福祉施設などでコンサートを開催するなど、クラシック音楽の普及活動にも力を入れている。

 

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