学校の規模適正化 紀の川市教委が意見募る

紀の川市教育委員会は、児童や生徒数の減少に伴い、一部小学校の統合を視野に入れた「市立学校適正規模適正配置基本計画案」を作成し、31日までに市民からのパブリックコメント(意見公募)を受け付けている。市民からの意見を踏まえ、地区やPTA代表、学識経験者、保育所などに通う保護者らで構成された検討委員会や市庁内の総合教育会議を経て、同方針の年度内策定を目指す。

計画の対象としているのは、小学校が池田、田中、粉河、川原、長田、竜門、名手、上名手、麻生津、安楽川、調月、西貴志、中貴志、東貴志、丸栖の15校。中学校が打田、粉河、鞆渕、那賀、荒川、貴志川の6校。対象校の児童・生徒数(2022年5月1日現在)は小学校2806人、中学校1362人。

基本計画案では、国が定める「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置に関する手引書」に基づき、市内の小中学校の配置状況を「適正規模校」、「小規模校」、「過小規模校」に分類。適正規模校は現在、小学校5校、中学校2校だが、児童生徒数が今後6年間で8%減るとの推計から、2025年には小中学校ともに2校ずつになると見込んでいる。

地域別では、粉河地域で2校、那賀地域で3校が「過小規模校」。児童生徒数が2033年まで緩やかに減少していく見通し。2024年~28年度の第1次実施計画によると、異なる学年(二つ以上の学年)の児童・生徒を一つの学級に編成している複式学級の学校については、統合によって改善を図るとしている。第1次実施計画終了後は、児童数推計を見直した上で第2次実施計画に移る予定。 計画案では「過小規模校」のうち、小学校3校(川原、上名手、麻生津)について、他校に統合することで複式学級の解消を目指す方針などを示している。

基本方針としては、望ましい学校規模の基準(1校当たりの学級数)を「小学校でクラス替えが可能である学年2学級以上、中学校ではクラス替えが可能ですべての教科の担任が配置できる学年4学級以上」、望ましい学級規模の基準(1学級当たりの児童生徒数)を「小学校1学級35人、中学校1学級35人」、望ましい通学時間を「(小中学校とも)通学手段を片道概ね60分以内」と定めた。

学校統合の検討体制の整備について市教委教育総務課の担当者は、「子どもたちの心理的な負担に配慮しながら、教育環境の整備に努めたい」と話している。

基本計画案は市ホームページで全文を閲覧できる。意見公募の対象者は市内在住・在勤・在学者ら。所定の意見提出用紙に住所、名前、意見を記載の上、担当課に直接持参するか、郵送、ファクス、メールで提出すること。問い合わせは市役所本庁4階の市教委・教育総務課(℡0736・77・2511、FAX0736・77・0917、メールk150100-001@city.kinokawa.lg.jp)。

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