人命救助し「118番」 海保が3人に感謝状

海上保安庁緊急通報用電話番号にちなんだ「118番の日」にあたる1月18日、和歌山海上保安部は海中転落者の人命救助に尽力し、118番通報を迅速に行ったとして、大阪府の豊山容久(やすひさ)さん(67)と岡啓太郎さん(67)、蜷川勇さん(57)の3人に感謝状を贈った。

同保安部によると、釣り仲間の3人は昨年12月17日午後1時45分ごろ、和歌山市加太の田倉崎沖で釣りをしていたところ、海上に小型ボートの舳先(へさき)を発見。近くに停泊していた大型船がこのボートに衝突して転覆したもので、大型船からは「人が流れているから助けてほしい」との声が聞こえた。

3人が周囲を確認すると、白いクーラーボックスにつかまった60代の男性を発見。すぐに男性のもとへ向かい、抱えるようにして船内に引き揚げて救助した後、岡さんがすぐさま118番通報をした。

寒さで震える男性のため、船内のカセットコンロやタオルで暖を取り、同保安部巡視艇専用桟橋へ搬送。海上保安官に引き継いだという。

感謝状の贈呈式は同市築港の和歌山港湾合同庁舎で行われ、山下雄一郎部長が「貴重な人命救助をしていただき、本当にありがとうございます」と3人に感謝状を手渡した。

3人は「(男性が)生きていて良かった。当たり前のことを当たり前にやっただけ。お互いさま」と安堵(あんど)の表情で口をそろえた。

 

前列左2人目から豊山さん、岡さん、蜷川さん

 


緊急通報番号知って

海の安全を確保するため、海上保安庁では2000年5月から、海上における事件・事故の緊急通報用電話番号として「118番」を運用している。運用開始10周年を機に、2010年からは毎年1月18日を「118番の日」とし、周知活動を強化している。

同保安部によると、海上における事故であっても118番を知らない人が119番に通報するケースも少なくないという。松尾一徳管理課長は「1分1秒を争う緊急時に118番に直接通報いただくことでワンクッション置くことなく、巡視艇の派遣など迅速な対応ができる。ぜひ覚えておいてほしい」と呼び掛けている。

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