髙橋、山本さん市長賞 障害の理解ポスター

障害の有無にかかわらず誰もが住み良い安心安全な社会づくりに向け、和歌山市が募集した2022年度「障害の理解・啓発ポスターコンクール」の入賞作品が決まり、最高賞の市長賞に、ヘルプマーク部門で県立和歌山さくら支援学校小学部1年の髙橋美潤(みひろ)さん(7)、肢体障害者への配慮部門で市立和歌山高校3年の山本水稀さん(17)の作品が選ばれた。

ヘルプマークは、義足や人工関節の使用、内部障害や難病、妊娠初期の人など、外見からは分からないが、援助や配慮を必要としていることを周囲に知らせるためのもの。肢体障害は、病気やけがにより手や足、体幹の機能に不自由がある状態で、障害の部位や程度によって個人差があり、一人ひとりが必要とする援助や配慮は異なる。同コンクールは、こうした障害に関する正しい理解を社会に啓発するため、17年度から行われている。

市内在住か通勤・通学している人を対象に作品を募集し、今回は104点(ヘルプマーク部門87点、肢体障害者への配慮部門17点)の応募の中から、各部門で市長賞1点、優秀賞2点(一般、中学生以下各1点)、特別賞1点を選んだ。

髙橋さんの作品は、中央に描いた大きなハートの上に「おもいやり みんながいるからきっと えがおになれるよ」との言葉を書き込み、周囲に虹や笑顔のマークを配して暖かい色合いに仕上げられている。周囲の助けに支えられている自身の生活の体験から、皆の思いやりの心を感じて生きる中で、笑顔になれるという思いを表現した。

山本さんの作品は、人ごみの中で車椅子の人物を浮かび上がらせ、「あの人、大丈夫かな…」と見つめる人の姿を描いている。困っている人がいたら、直接声を掛けることが難しい場合はあっても、必要な時には助けられるように意識をすることがサポートの第一歩になるということを表現した。

山本さんは「時間をかけて考え、描いた作品が受賞してうれしい。ポスターを通じて、他の人にも思いや考えが伝わってほしい」と話していた。

表彰式は18日、市役所で行われた。尾花正啓市長は「障害を正しく理解し、知ってもらい、さらに自分たちにどんなことができるのかを考えて表現した、心を打つ作品ばかり」と受賞者をたたえ、一人ひとりに賞状と、それぞれの作品をプリントした記念のマグカップを贈った。

市長賞の2人の作品は、障害啓発事業のポスターに採用され、市の公共施設や障害福祉サービス関連機関などに配布する。入賞作品は23日から、市役所東庁舎に展示される。

市長賞以外の入賞者は次の皆さん。

【ヘルプマーク部門】優秀賞・一般の部=林桂矢(18)▽同・中学生以下の部=坂本瑞姫(12)▽特別賞=橋中いのり(10)

【肢体障害者への配慮部門】優秀賞・一般の部=野正和香(17)▽同・中学生以下の部=坂本朔太郎(10)▽特別賞=広岡優茉(7)

ヘルプマーク部門で入賞した髙橋さん㊧ら

ヘルプマーク部門で入賞した髙橋さん㊧ら

 

肢体障害者への配慮部門で入賞した山本さん(左から2人目)ら

肢体障害者への配慮部門で入賞した山本さん(左から2人目)ら

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