裁縫上達願い、感謝 淡嶋神社で「針祭り」
針に感謝し、裁縫の上達を願う「針祭り」が8日、和歌山市加太の淡嶋神社(前田智子宮司)で行われた。
裁縫の技術を人に伝えたとされる同神社の祭神、少彦名命(すくなひこなのみこと)に古い針を返し、供養する祭事で、江戸時代中期から行われている。ことしも全国から集まった裁縫針やまち針、家庭用のミシン針など約4万本が本殿に並んだ。
神事では前田宮司が古い針を供養し、裁縫の上達を願う祝詞を奏上。巫女(みこ)たちが、箸で針を三宝(さんぽう)に移し、境内の「針塚」に納め、塩をかけ土に返し、針の労をねぎらった。
3年ぶりに訪れたという県和裁協会の南敦子会長(66)は「ことしで会は50周年を迎えるが、コロナ禍までは毎年来ていた。きょうは裁縫の上達だけでなく、早くコロナが終息し、以前のように活動できるようお願いした」と話した。
毎年訪れ、俳句を作っているという和歌山市の宮本啓子さん(78)は「針塚に塩たつぷりと針まつり」と完成した句を披露した。
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