WAKAYAMA NEWS HARBOR
和歌山さんぽみちプロジェクト

甘さ抜群「干し柿」の作り方

前号まで2回に渡り、干し柿にすることで脱渋を行い、おいしく食べることができる「愛宕柿」と「蜂屋柿」を取り上げた。今週は干し柿の作り方を紹介したい。
干し柿は下処理を始めてから食べられるまでに3~4週間を要し、想像以上に手間暇をかける必要がある。
まず柿のヘタとその周囲の皮を、円を描くようにむき、続いて柿の頭頂部から下に向け縦に皮をむく。次に長さ60㌢程度のビニールひもを準備し、柿が2個で1組になるよう、柿の頭頂部に付いた枝の部分にひもの両端を結ぶ。そして、殺菌するため、沸騰した鍋に5秒程度柿を入れ引き上げる。この処理を行うことでカビの発生を抑えることができる。殺菌が終わると、家の軒下など日当たり、風通しのよいところに干す。雨があたるとカビが発生する原因となるため注意が必要。また、柿同士がくっつかないよう上下にずらして干すのがポイント。
そのまま1週間程度干し、外皮が固くなると、親指と人差し指を使い、押すようにして軽くもむ。作り始めから約3週間で、柿がしぼみ、色が黒っぽくなってくる。これで干し柿の完成。
やわらかくなった実は非常に甘く、生で食べる柿とは違うもっちりとした食感。手間暇をかけて作るからこそ味わえる、自家製干し柿ならではの特権である。
前号でも記載したが、干し柿にする柿はできるだけ大きめのサイズを選ぶことをおすすめしたい。干し柿にすることで実が小さくしぼみ、小さい柿であると食べられる部分がわずかになってしまうからだ。
手間はかかるが、自分の目の前で徐々に出来上がっていく姿を見て、食べ頃を好みで調整することもできる自家製の干し柿。来シーズンはぜひ試してみてほしい。(次田尚弘/和歌山市)