暗い街を避難 本町地区で夜間防災訓練

東日本大震災から12年を迎えた11日、和歌山市本町地区で夜間避難防災訓練が行われ、住民ら約60人が、夜の街や暗い階段を通っての避難、心肺蘇生法などを訓練し、防災意識を高めた。

一般財団法人和歌山まちづくり財団(木村圭一理事長)が主催し、2回目の開催。県や市消防局、和歌山西警察署などが協力し、防災士や応急手当普及員の資格を持ち、防災に関する活動にも力を入れている落語家、桂枝曾丸さんが講師を務めた。

参加者は午後6時に本町公園に集合。足元に注意し、膝を上げて安定した歩き方を心掛けるなどの注意事項を聞いた後、日没後の暗い街を、枝曾丸さんの先導でフォルテワジマに向かって避難した。

フォルテでは、施設の協力で階段の照明を消し、懐中電灯などのわずかな明かりを頼りに4階まで上った。

フォルテ内のホールでは、枝曾丸さんの講話の他、心肺蘇生法を実習し、AED(自動体外式除細動器)の使い方などを学んだ。

枝曾丸さんは、懐中電灯などのライトについて、首から掛けるタイプなど両手を自由に使えるものを薦め、実際の災害時に、すぐ近くに人がいなくても周囲に自分の存在を知らせられるよう、鈴など音が出るものを持っておくと良いことなどを伝えた。

また、自宅や職場からの安全な避難ルートを事前に見つけておくことが大切とし、参加者に「皆さんがきょうの訓練で経験したことを、地区の内外の人たちに広めてほしい」と呼び掛けた。

今回の訓練の実行委員長を務めた同財団の田村彰浩さんは「防災訓練は日中に行われることが多いが、実際の災害はいつ起こるか分からない。夜間の訓練を経験しておくことは大切」と話していた。

照明を消した階段を上る訓練をする住民ら

照明を消した階段を上る訓練をする住民ら

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