紀美野町のまちづくり 知事と意見交換

岸本周平和歌山県知事は12日、「タウンミーティング」を紀美野町菅沢の「美里の湯かじか荘」で開き、地元のまちづくり団体や企業の代表、農家、移住者ら11人と意見交換した。

住民の声を直接聞き、その声を生かした県政を共につくっていくことを目的とする、岸本知事肝いりの取り組みで、田辺市の秋津地区、上芳養地区に続き、3回目。今回は小川裕康町長も交えての開催となった。

地域の課題に関しては、農業被害について、シカは金網や電機柵を飛び越え、葉を食べるため作物が枯死し、植え替えが必要となるなど、農作物を食べるイノシシよりも被害が深刻で、対策が必要とする声があった他、短時間の停電が発生する頻度が高く、製造業の生産現場に影響が出ているとの指摘もあった。

地域おこし協力隊については、町の受け入れ態勢が整っており、隊員がスムーズに地域社会とネットワークをつくりやすくなっているとの現役隊員からの声があり、他の出席者からは、協力隊の企業版を活用し、民間事業者の受け入れを進めるべきとの意見が出た。

この他、住民らによる再生事業が進められている「中田の棚田」を、県全体の財産と捉えて事業を行うべきとの意見や、町内の高校を大切にし、地元の課題解決型学習への取り組みなどにより、将来、町に帰ってきてまちづくりを支える人を増やせるとの意見もあった。

予定の時間を過ぎる活発な意見交換に岸本知事は、「キックオフとして良いスタートができた。県でできることはすぐにしたい。若い力、お年寄りの力、男性、女性、みんなで紀美野を盛り立ててほしい」と話し、今後も住民の声を聞き、県政に生かす取り組みに意欲を示した。

3年前に移住した合同会社KnotsCommunity(ノッツコミュニティ)の片桐翔太代表は「紀美野でいろいろな活動に取り組む方々や県、町の意見を聞けて、すごく良い機会だった」と話していた。

 

岸本知事(奥右から2人目)と意見交換する住民ら

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