障害へ理解を 辻さん親子が団体立ち上げ

障害のある人への理解を広げようと、和歌山市の辻早保子さん(56)は、長男で、支援学校に通うダウン症の翔真さん(14)と2人で、啓発を行う「人生楽しまんで委員会」を立ち上げた。会長は翔真さん。「障害があっても人生楽しめる、自分なりの楽しむ方法は見つけられる」がテーマ。辻さんは「障害があることは決して不幸ではない。自分たちが表に出て楽しむ姿を見せ、障害児を育てている親たちの不安が少しでも減れば」と願っている。(画像は全て提供)

辻さんは翔真さんを出産して2日目に「ダウン症かもしれない」と助産師から告げられた。「頭の中が真っ白になり『自分に育てられるんだろうか』と不安しかなかった」と振り返る。身近にダウン症の子どもを育てている人がいなかったため、全てが手探りだったという。

東日本大震災のニュースをテレビで見ていた時、避難所に入れないという障害児を持つ親の話を聞きショックを受けた。「災害時に備えて、自分の子どもを地域の人に知ってもらい、避難所となる小学校に慣れておく必要がある」と、普通小学校に通わせることを決意。その思いを受け、学校長や教育委員会が入学に向けて協力してくれたという。毎日教室まで付き添い、3年生の途中から教室の前、校門、家の前と離れる場所を徐々に伸ばし、4年生からは1人で通えるようになった。学校と近所の人に支えられ、6年間の小学校生活を過ごした。

辻さんは「周囲から『大変やね』『頑張ってるね』とよく言われるが、普通の子育てと一緒。私も息子も、特別じゃない」と笑う。

 

辻翔真さん㊧と早保子さん

 



一緒に楽しむ演奏会 1日岩出でイベント

同委員会の活動の第1弾として、幼児も障害者も気兼ねなく楽しめるライブを4月1日、岩出市野上野のシェアオフィス&ルーム・ミルフェルムで主催する。

翔真さんは音楽が大好き。沖縄を拠点に活動する夫婦ポップユニット「ちむぐくる」のファンで2人に声を掛けたところ、活動の趣旨に賛同を得て、今回の出演が実現。琉球の音色を楽しめるスペシャルなライブが開かれる。

オープニングには、ダウン症や発達障害などがある人と支援者でつくる紀の川市のちんどん屋集団「トンカラポンガ」が出演。

チケットは一般2500円、高校生以下1500円、障害者、付き添い者(1人まで)1500円。幼児無料(当日券は一律500円増)。予約はメールで「ちむぐくる」。

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