事業の評価等に課題 県の包括外部監査報告

和歌山県は2022年度包括外部監査の概要を公表した。「農業振興に関する財務事務の執行について」をテーマとし、報告書に是正・改善を求める「指摘」はなかった一方、各事業が長期総合計画での指標にどう寄与するかを明確にし、事業の成果を事後的に評価できるようにすべきなど、事業の評価の在り方、執行の管理に関する内容を中心に16件の「意見」が付された。

主な意見では、事務事業評価の公表について、県費で行う事業に一定の基準を設け、質(目的や内容)・量(金額)の観点から重要性のある事業は事業評価を行い、県民に対して成果を説明する責任を果たすべきとした。

農業の施設整備補助については、整備による目的達成まで時間を要する場合があることから、「成果」を定義し、指標を設定し、補助期間にとらわれず、成果の測定に適した期間で評価する必要があるとした。

また、現行の農林水産業に関する事業の6割以上が補助事業であり、国庫補助金を主な財源としている現状について、「県の基幹産業である農業の振興・維持・発展を見据えた最適なものであると、県民に対して客観的に説明できるかどうか検討する余地はある」と指摘した。

20日、包括外部監査人を務めた公認会計士の纐纈(こうけつ)和雅氏が県庁の岸本周平知事を訪問し、意見交換した。

纐纈氏は「行政の事業の振り返り方は今までのやり方で良いのか。特に補助金の使い方は、えてして整備することが目的になっているが、効果が出ないと本当は補助金の成果とはいえないのではないかと思っている」と話し、岸本知事は「ご指摘の点はおっしゃる通り。大変建設的な意見を頂いた。監査に沿って今年度、しっかりと事業の見直しを進めていきたい」と述べた。

 

監査報告について岸本知事(手前)に話す纐纈氏

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