春の褒章に県内3人 各分野の功労たたえ
2023年春の褒章受章者が29日に発令される。和歌山県関係の受章者は73~90歳の男性3人。内訳は、各分野の業務に精励して模範となる人に贈られる黄綬が1人、公衆の利益や公共の事務に尽力した人に贈られる藍綬が2人。5月中旬に東京で各省庁ごとに伝達され、その後拝謁が実施される。
今回を含めた県内の受章者総数は、男性997人、女性133人、3団体の計1133(黄綬506、藍綬616、緑綬5、紫綬6)となる。
晴れの受章者は次の皆さん。
【黄綬】刀秀一(90)司法書士、和歌山市和歌浦東
【藍綬】倉谷敏信(73)保護司、新宮市新宮▽畑口道夫(76)保護司、和歌山市毛見
「信じる」を第一に
市内の社会福祉施設で事務長を務めていた頃、地域の寺の住職が保護司の定年を迎えた。住職から勧められて保護司になり、65歳で退職するまでは仕事と両立しながら、薬物使用や犯罪、非行をした少年らと向き合い、再犯防止と社会復帰に向けた活動に尽力してきた。
中には裏切られることもあったが「信じること」を第一に、辛抱強く見守ってきた。仕事に就くと、少年らの服装が変わってくる。悪い方向にいかないよう、小さな変化にも気を配り、「何事にも辛抱強く、真面目に頑張れ」と声をかけて励まし続けた。
少年の気持ちを酌んで保護観察期間だけの付き合いと割り切っているが、無事に社会復帰した少年に偶然出会った際、「お世話になりました」と向こうから声をかけてくれたのはうれしかった。
仕事にやりがいを感じるとともに、互いに励まし合える〝保護司仲間〟ができたのも人生の財産。ことしの11月に定年を迎えるまで、残り半年余り。「真面目に一生懸命やってきて良かった」と思えるのも、支えてくれた家族のおかげ。
「定年後は家内と一緒に、手と体を動かしながら農業をして、励まし合いながら楽しく生活することで恩返しがしたい」とほほ笑む。
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