王鐸の国内初展示作も 青潮書道会全国展

和歌山市の書道家、故・天石東村(あまいし・とうそん)氏を中心に発足した青潮書道会による、「第45回記念全国展」が14日まで、同市の和歌山城ホール(七番丁)、県民文化会館(小松原通)、県書道資料館(西汀丁)の3会場で開かれている。

和歌山城ホールでは、明末期から清初期に活躍した書家・王鐸(おうたく)の、中国、日本、台湾を渡った長条幅「草書臨・王献之~呉興帖」が国内で初めて展示されている。

長条幅は、明が滅びた直後、激動の時の中で、王鐸が書家としての希望を持って船上で書いたとされる、流れのある作品。

また、明や清の時代の漢詩74作品や、空海生誕1250年を記念して、空海の言葉や詩など20作品を、同会の書道家らが制作し、披露。北海道から鹿児島までの役員や一般公募による、約700点の書作品や受賞作品なども並ぶ。

和歌山城ホール4階会議室では、中・高・大学生半切コンクールや小学生の書き初めコンクールの優秀作品などを展示し、ワークショップなども開いている。

鳥取県の団体職員で、自身も書活動に励む河田桂吾さん(40)は、王鐸の長条幅を見て、まるで絵画のような作品だとし、「真筆を見られてうれしい。王鐸は余白や空間処理が素晴らしく、見ていてほっとする。私も余白の美を突き詰めたい」と話した。

いずれの会場も午前10時から午後5時(最終日は4時)まで。

特別展示「王鐸長条幅」に見入る人々

特別展示「王鐸長条幅」に見入る人々

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