和歌山市駅前に新拠点 IT企業の写易

企業向けの基幹システム構築やソフトウェア開発などを手掛けるIT企業、㈱写易(東京都中央区、佐藤恒雄代表取締役)が6月、和歌山市内に新オフィスを開設するのを前に、同社と県、市の3者による進出協定の調印式が23日、県庁知事室で行われた。県庁所在地の同市にはIT企業の進出が相次いでおり、IT人材の育成や市内企業のデジタル化などの波及効果も期待されている。

写易は2004年設立の日本企業で、自社パッケージによるウェブサイトの構築、マイクロソフト365などのクラウドソリューション、スマートフォンや生体認証を利用したDXソリューションなどを積極的に展開。

新オフィスは、同市東蔵前丁のファーストビル4階(南海和歌山市駅前)に設置し、3年間で正社員15人(うち地元12人)の雇用を予定している。同社の関西・西日本エリアの業務拠点となり、本社の開発業務を国内の地方事業所に委託する「ニアショア開発」の拠点などとしても稼働する。

東京に業務が集中する傾向が強かったIT業界では、東京での人材確保が困難となっている現状があり、人材の採用を地方で行いたい事業者側のニーズが高まっている。

県内では白浜町が集積地となっているのに続き、和歌山市も誘致活動が功を奏し、中心市街地などへの進出が相次ぐ。2022年度中に市内に進出が決まったIT企業の実績は、写易を含めて6社となっている。

調印式では、写易の陳宏宇副社長、岸本周平知事、同市の佐藤哲也副市長が協定書に署名した。

陳副社長は、和歌山オフィス開設により、県内の大学や専門学校からの新卒人材の採用に期待を寄せ、インターンシップなども行う考えを示し、「ITに興味のある和歌山の若者に応募してもらい、共に成長していきたい」と話した。

岸本知事は「県内の若いITベンチャーにとっても良い影響を与える。リーダーとして、和歌山のICT業界のトップを走っていただきたい」と述べた。

協定書を手に(左から)佐藤副市長、陳副社長、岸本知事

協定書を手に(左から)佐藤副市長、陳副社長、岸本知事

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